「卵子凍結」を考える女性の知られざる実情

20歳から45歳の女性たち385人を調査

「年齢制限を設けていない当施設では、半分ほどが社会性不妊の方で、健康不安がある方が3割、医原性(がん)が2割となっています。卵子凍結保存を本気で検討している女性たちの実情は、“キャリアを優先させ産みどきをコントロールしようとするわがままな女性”という一昔前のイメージとは違います。死なない程度の病気を抱えていたり、専門職で仕事を抜けられなかったり、誰もが該当者になりうる普通の女性たちなのです」

「もし知っていたら…」高齢不妊治療経験者からの声

今回のアンケートで、特に多くの声を寄せてくれたのも35歳以上の女性たちだった。

「私は出産適齢で結婚できず、36歳から不妊治療をしたが、授かることができなかった。もし、知っていたら、20代で卵子凍結を行い、その後にかかる莫大な不妊治療費用と精神的苦痛を和らげたかった(44歳・会社員・東京都)」
「40歳位までなら子供はすぐできると思っていました。結婚し子供が欲しいと願うようになってから現実を知りました。不妊の原因はさまざまですが、母体となる女性の年齢がいちばん大事であることを医師からも聞かされ、授かることができるのか毎日不安との戦いです(36歳・職業、居住地の記載なし)」
「社会的・経済的な産める環境を手に入れてから妊活をするのでは遅すぎると感じている。年を取ってからの不妊治療は成果を上げにくく、先天的な障害のリスクも高くなる。子宮のコンディションは薬で整えられても卵巣と卵子が若返ることはない。まだ独身でお付き合いしている人もいなかった頃に卵子の老化の情報をすでに知っていて卵子凍結の仕組みが確立されていたとしたら、当時すでに子どもが欲しかったので卵子凍結させていたと思う(35歳・無職・千葉県)」

 

なかでも多かったのは、年齢とともに妊孕力(妊娠できる力)が衰えていくという教育の必要性を訴える声だ。卵子の老化についての報道が増えたのは、ここ数年。“生理があるうちは40代でも出産できる”という勘違いをしていたという声も少なくない。

「若いうちは仕事やプライベートで忙しく卵子の凍結に大金を支払うことは考えられなかったと思う。また、そんなに自分が結婚できないであろうとも考えていなかった。焦りだしたのが35歳くらいだった。結婚できるのか、妊娠できるのか。20代ではそんなこと考えられなかった。なので、不妊に対する教育を早いうちに行うことは大切かと。私の学生時代は生理について説明はあったが、卵子の数が生まれた時から減っていくだけとか、卵子が老化するとかまったく教えられなかった(41歳・無職・栃木県)」
「不妊治療に対して、抵抗があった。すべて知識のなさからと考える。当たり前の知識として社会で知られるべき。学校教育、親世代、会社、行政の積極的補助職など。ただいま治療中で、妊娠中だが、同年齢、また年下の未婚友人たちへは積極的に必要性を1度は伝えるが、働きながら婚活で疲弊している彼女たちにとっては、二の次の問題。私も働きながら、何年も婚活してきたから、よくわかる(42歳・無職・島根県)」
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