欧州の政治リスクが後退した「3つの理由」 なぜマクロン氏は勝ち残ることができたのか

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仏大統領選の決選投票に進出、喜ぶマクロン氏(右)とブリジット夫人(写真:ロイター/アフロ)

「仏の決選投票」も「独の選挙」でも波乱は起きない?

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フランス大統領選の第1回目の投票では、中道系独立候補のエマニュエル・マクロン前経済相と国民戦線のマリーヌ・ルペン党首が決選投票に進む結果となりました。直前の世論調査によれば、マクロン氏がルペン氏を逆転して僅差でトップに立ちましたが、実際の投票も同じような結果となっています。

少し前の3月に行われたオランダ下院選挙では、与党である自由民主党が第1党を維持し、極右政党の自由党に競り勝ちました。「自由党が第1党に躍進する勢い」という事前の世論調査もあっただけに、このときは「やっぱり欧米の選挙では世論調査があまり当てにならない」ということが証明されていたわけです。

というのも、みなさんもご存じのとおり、昨年6月の英国のEU離脱の是非を問う国民投票では、直前の世論調査で反対派が過半数を上回っていました。にもかかわらず、結果は僅差ながらも賛成派が反対派を上回ってしまいました。

同11月の米国の大統領選でも、1カ月前の世論調査でクリントン候補がトランプ候補に10ポイント超の差をつけていたにもかかわらず、直前の調査では数ポイントにまでその差が縮まり、最終的にはトランプ候補が番狂わせを演じることとなったのです。

「世論調査が当てにならない」という前提に立てば、5月に行われるフランス大統領選の第2回目投票(決選投票)でも、極右政党・国民戦線のルペン党首が勝利するというシナリオもまったく考えられないことではありません。その意味で、「2017年は欧州の政治リスクが懸念される年」といわれてきました。

しかし、オランダ、フランスでの結果を受け、今となってはそのリスクはかなり後退してきているように考えられます。すなわち、フランス大統領選の決選投票やそれに続くドイツ連邦議会選挙では、いずれも心配していた波乱は起こらないだろうと見ているわけです。

欧州の政治リスクが後退した背景には、主に3つの理由があります。

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