スー・チー氏に少数民族虐殺の責任はあるか 国際的批判は軍部の責任を覆い隠す

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開発援助の縮減は、スー・チー氏に対する批判者の一部が提案しているが、軍部を利するだけだろう。長きにわたって無視され、侵害され続けてきた人権や法の支配が、一夜にして尊重されることはない。

シンクタンクの国際危機グループによると、ラカイン情勢はロヒンギャの武装集団が国境警備隊の前哨基地を襲撃した昨年10月が、「危険な転換」の時期となった。武装集団は海外から武器や資金を得て急進化していた。国連調査で迫害が終結するわけではない。むしろ紛争が過熱するおそれすらある。だからこそ、国際社会は長期的戦略に基づいた支援を後押しする必要がある。

紛争終結に向けて最大の力を持っているのが、ミャンマー政府軍だ。軍部はラカイン州の武装蜂起が過激化するのを、自らの監視下にありながら許した。非難されるべきは事態沈静化に動かない軍部である。

フライン総司令官がすべきこと

和平実現への道のりは長く、痛みを伴う。ラカイン州は半世紀以上にわたって、安定や繁栄といったものを経験したことがない。何十年にも及ぶ植民地支配、軍政、民族紛争、そして内戦を経て、同州は分裂し、極貧状態に置かれている。

暗黒の歴史には、第2次世界大戦下の日本占領も含まれる。1942年のアラカン(現ラカイン州)大虐殺を引き起こしたからだ。日本軍により武装化したラカイン人仏教徒と、英国軍により武装化したイスラム教徒(現ロヒンギャ)が血で血を争う宗教紛争を繰り広げた。現在は、北アラカン在住のイスラム教徒がパキスタンへの併合を要求し、ベンガル系移民ムジャヒッドが自治権確立を目指しており、分離独立を掲げる仏教徒過激派の活動が先鋭化している。

仲裁を始められる力を有するのは、軍部トップのフライン総司令官だけだ。フライン氏はスー・チー氏に対する批判でなく、協調を求める声に耳を傾けるべきだ。それ以外に和平への道はないのだから。

ジャネル・サフィン オーストラリア・ミャンマー議員連盟元会長

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Janelle Saffin

オーストラリア労働党の国際開発委員会委員長

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ジョゼ・ラモス=ホルタ 東ティモール元大統領

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Jose Ramos-Horta

東ティモール独立運動を率い、1996年にノーベル平和賞受賞

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