アジア人は結局、米国で差別されているのか ユナイテッド航空事件で浮上した疑問

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また、多くの大学では「Under Represented Minority」と呼ぶ、人口比率に対して入学者率が低い少数人種の入学優遇措置もある。夫は高校時代に、東部の一流大学を受けるように学校側から勧められて、「あなたの成績なら、マイノリティ申請をすれば間違いなく入学できる」と言われたことがあるそうだ。しかし、それまで1度もアメリカ先住民として生活していないうえ、部族の知識もほとんどない。しかも外見も白人そのものなのに、そんな申請をして大学の特別枠を利用するのはフェアではないと断ったのだという。

学校側は「使える優遇は全部使うべきなのに」と最後までマイノリティ申請を勧めたというが、この話を聞いた時に、アメリカ先住民に限らず、アメリカのマイノリティの定義や基準、優遇措置のいろいろを初めて知ることになり、面食らってしまった。

アジア人はマイノリティに入らない

ちなみに大学の優遇に関しては、先住民に加え、黒人、ラテン系アメリカ人などが対象になる。先住民の場合は、夫のエピソードからも推測できるように、居住区に住んでいなくても、部族の知識がまるでないような場合でも、優遇目当てにマイノリティ申請して大学に入ろうとする人は結構いるらしい。

ならば当然、アジア人もマイノリティだと思うだろうが、残念ながらこの中にはアジア人は入らない。理由は、人口的にはマイノリティかもしれないが、アジア系は進学率が高いために優遇対象にならないからだ。

現在アメリカにおけるアジア系の人口は、全体の5%程度にすぎない。言うまでもなく少数である。これを出身国別に細かく分ければ、さらにアジア人は誰もが超マイノリティになる。ところが文化も慣習もまったく違うバックグラウンドであっても、「アジア系」はアメリカでは一くくりだ。

大学優遇の話をベトナム系の友人としたことがあるが、「日本人と中国人、インド人は比較的お金持ちだし進学率が高いけど、そうでもないベトナム人が『アジア系』に加えられて、優遇が受けられないのはフェアとは言えない。マイノリティなのにマイノリティの仲間にすら入れてもらえない差別が私たちにはある」と言って、かなり怒っていた。

仮に「少数派には優遇される権利がある」というマイノリティ理論が、人種差別をなくすために役立つというのであれば、アジア人はもっと守られてもいいという理論も成立可能だろう。

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