フリーゲージトレイン「試乗」で見えた問題点

2022年開業に向け車両の検証作業は佳境に

営業車両に近い条件の4両編成となった第3次試験車両(撮影:久保田敦)

鉄道ジャーナル社の協力を得て、『鉄道ジャーナル』2017年6月号「フリーゲージ試験を再開」を再構成した記事を掲載します。

「この試験電車は新幹線モードで運転しておりましたが、これよりスイッチを切り替え、在来線モードに変更します」

九州新幹線熊本駅から最高速度260km/hで新八代へ南下したフリーゲージトレイン(FGT)第3次試験車は、かつて「リレーつばめ」が発着していたホームで折り返す。鹿児島本線につながる約1kmの接続線へと発車し、ゆるやかな右カーブを描くスロープを下ってゆく。

「先頭4号車、軌間変換装置内に進入しました。先頭台車ロックが外れます。まもなくモニターに映っている後ろ側台車、ロックが外れます」

「まもなく4号車先頭台車、軌間変換します。4号車先頭台車、変換。まもなく後ろの台車も変換します」

状況を解説する放送が、次々に流れてくる。

2022年度に九州新幹線で開業目指す

FGTの台車は、車軸と一体構造の歯車付外筒の中を、車輪と一体構造の内筒(スリーブ)が左右に184mmずつスライドする。軌間変換装置に進入すると、車軸両脇の軸箱がローラーを並べた支持レールに乗り、左右を抱えられた格好で持ち上げられた状態となり、車輪が浮く。変換装置の錠コロ案内桁に差し掛かると、受動的に車輪のロックが解除され、角度のついたガイドレールの誘導により標準軌→狭軌、あるいは狭軌→標準軌と、車輪がスライドする。錠コロ案内桁を抜け出すことで再びロックがかかり、次いで支持レールの端部で次第に車体が下がると、軌間が変換された車輪に荷重がかかり、軌間変換を終了する。

「1号車の変換が終わりました。1号車、通常の高さに戻ります。これですべての台車の軌間変換が終了です」

新幹線の1435mm標準軌と、在来線の1067mm狭軌の直通運転を可能にするFGTは、その第3次試験車両が2022年度の九州新幹線西九州ルート開業を目指し、2014年4月から九州の地で試験を開始した。まずは半年間の性能確認試験を行った後、同年10月から3モード耐久走行試験に入った。九州新幹線、鹿児島本線、そして両者を結ぶ接続線の軌間変換装置を繰り返し走行するもので、2年半の間に60万kmの走行が予定されていた。目標として定められた60万kmは、新幹線車両に適用されている台車検査の検査周期1サイクルである。

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