「キミが話すことはまじめすぎて面白くない。女性の前でよく見せたいという思いが強すぎて、それが空回りしている。女性ともっと自然にコミュニケーションが取れる方法を習得したほうがいい」
そのモテ塾は半年間のプログラムだったという。月1回のグループ講義があり、そこでは女性の口説き方や女性が喜ぶデートコースなど、具体的なノウハウも学ぶのだが、それよりも重要視されていたのが徹底的なマインドの改良だ。
自分を否定しないこと。行動する前に悪い結果を考えず良い結果をイメージすること。これまでの固定観念を捨てて素直になること。親に感謝すること。
康司はこれらをノートにメモし、朝と夜に必ず見直して、自分に言い聞かせていたという。
モテ塾の仲間と行った「課外授業」
また、毎回“課外授業”と称した課題も出た。“女性とごく自然に会話ができる第一歩として、ショップの女性店員に話しかける”という課題のときには、塾の仲間6人でグループを作り、ショッピングモールに繰り出した。4時間は別行動で、それぞれがきれいな女性店員に次々に声をかけていく。
「彼女とデートに行く服を選びたいんですけど、僕なら何が似合いますか?」
「この服には、どんなバッグを持てばいいんですか?」
「シャツを買いたいんですけど、選んでもらっていいですか?」
などなど。
4時間のうちに何店舗か回り、その後、またみんなで落ち合い、ご飯を食べながら反省会をする。
「仲間ができて、モテないのは自分だけじゃないってわかったのもよかった。『こうしたらうまくいった』とか、『ダメだった』とか話すのもかなり参考になりました。あと、グループラインを作って、デートに使える店やテッパンのデートコースをシェアし合いました。なんだか学生時代の部活ノリで楽しかったんですよね」
また、あるときの講義で主宰者が教えてくれた、“相手が自分に興味があるかないか見分ける方法”は、何度か実践したという。
“デートで手をつないで歩いているときに、相手の手をキュッキュッとやったら相手もキュッキュッと返してくる。それは好意がある証拠だから、その先に進める”
これには、「ほう、なるほど!」と私もうなった。
ただ29人いた同期生の中で、「彼女ができた」「結婚できた」というのは6人程度だったというから、モテ塾に入ったからといって、必ずしもモテるようになったり、結婚できるようになったりするわけではない。
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