シリア巡る米ロ緊張、「制御不能」にはならず マティス米国防長官が記者団に見解示す
[ワシントン 11日 ロイター] - マティス米国防長官は11日、シリアを巡る米国とロシアの間の緊張が「制御不能」な事態に発展することはないとの見方を示した。
米国によるシリアへのミサイル攻撃については、禁止された化学兵器を使用したとみられる空爆を受けた1度限りの措置だとした。
マティス長官は記者団に対し「ロシアが自国の最善の利益のために行動することを確信している。制御不能な事態に発展することを望んでも、ロシアの利益になることは何もない」と語った。
長官はこれまでに、シリアのアサド政権が化学兵器を使用すれば、米軍は再び行動する用意があると繰り返し警告しており、この日もアサド政権は「非常に高い代償を払うことになる」と述べた。
ただ同時に、トランプ大統領が許可したのは1回の攻撃であり、米政権が化学兵器の使用を再び断定した場合に自動的に再攻撃を行う権限は米軍にはないとも指摘した。
さらに、シリアにおける米軍の方針は依然として過激派組織「イスラム国(IS)」の掃討であり、アサド政権と反体制派の対立に介入することではないと強調した。
シリアの化学兵器については、アサド政権が使用したことに疑いはないと言明した。
一部の米当局者はロシアが事前に把握していた可能性があるとの見方を示している。
ただ、マティス長官は、ロシアの関与について聞かれると「アサド政権が計画し、実行したことは明白だが、それ以上のことは現時点では言えない。それ以上のことは分からない」と回答。ロシアが化学兵器の使用を把握していた、あるいは関与したことを裏付ける確かな証拠を米国が得ていないことを示唆した。
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