スペインの名酒「シェリー」を知っていますか 日本でもスペイン風「バル」などで楽しめる!
春になると祭りが始まるのは、日本もスペインも同じだ。スペインでは、南部・アンダルシア州の州都セビーリャで4月に行われる「セビーリャの春祭り(フェリア・デ・アブリル)」を抜きにして春の到来は語れない。
小さい祭り小屋「カセタ」が社交の場となり、飲んだり食べたり、セビーリャの民族舞踊を踊る。男性も女性も民族衣装で着飾った姿でカセタが並ぶ通りを馬や馬車に乗って行く姿は映画のシーンのようだ。スペインでは、バレンシアの火祭りとパンプローナの牛追い祭りとともに、3大祭りの1つとされている。
スペインの春祭りに欠かせない存在
セビーリャの春祭りに欠かせない酒、それが世界で唯一、アンダルシア地方のへレス・デ・ラ・フロンテラ(ヘレス)市とサンルカル・デ・バラメダ(サンルカル)市とその周辺でしか生産されていない酒の「ビノ・デ・ヘレス」。日本語にすると「ヘレスのワイン」という意味で、スペイン以外の国では「シェリー」の名で親しまれるワインである。
スペイン語の地名ヘレス(Jerez)や、8世紀以降にスペインがアラブ人の支配下にあったときの地名が英語風になまってスペイン以外では「シェリー」と呼び習わされるようになった。
セビーリャの春祭りで1週間に消費される量は375ミリリットルのボトルで150万本。スペインで1年間に消費される1200万本のボトルのほぼ1割がわずか1週間で消費されるのである。
昨年の春祭りは、27万5000平方メートルの敷地に1051軒のカセタが並んだ。1週間続く祭りで使用された電球の数は、21万2000個。2400人の警察官と治安機動隊員が期間中の治安を守った。失業率の高いアンダルシアだが、祭りで500人のアルバイトも創出された。ちなみに1847年に初めて開かれた時には、わずかに19軒のカセタが参加しただけだったという。
シェリーの中でも特に人気が高い種類は、ともに辛口のフィノとマンサニーリャである。生ハム、チーズ、アンチョビ、オリーブなどをつまみにした時にフィノやマンサニーリャは最適である。
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