経歴を「盛って」の就活、どこからがアウトか 見栄を張りたくなるのは当然だが・・・

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黒栁弁護士はこのように述べる。

「裁判例においても、重要な経歴の詐称(その経歴について真実が告知されていれば、企業は雇用契約を締結しなかったと客観的に認められるような場合)に対する懲戒解雇処分や解雇処分を有効とするものが見られます(東京地裁平成22年11月10日判決、東京地裁平成27年6月2日判決など)。

重要な経歴の例としては、学歴や職歴の他、退職歴や犯罪歴などが挙げられます。また、企業が採用に当たり重視している能力や性格なども、重要な経歴に該当する場合があると考えられます」

冒頭の例については、どう考えられるのか。

職歴や能力についての「詐称」に当たる可能性も

「本文で挙げられている3つのパターンについてみますと、1つ目の『実績盛り』は、その内容次第では、職歴や能力についての詐称に当たる可能性があると思われます。2つ目や3つ目については、重大な経歴の詐称といえるかは微妙ですが、企業側が重視する採用方針との兼ね合いや、詐称の程度及び詐称による企業への影響次第では、問題とされるリスクもあり得ます。

ある程度のセールストークは企業側も折り込み済みかもしれませんが、行き過ぎた嘘は、採用拒否や懲戒解雇などの重大な処分につながりかねません。注意していただく必要があるでしょう」

黒柳 武史(くろやなぎ・たけし)弁護士
2006年関西学院大学大学院司法研究科修了。2007年弁護士登録(大阪弁護士会)。取扱い分野は、民事・家事事件、労働事件、刑事事件など。
事務所名:中本総合法律事務所 

 

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