経歴を「盛って」の就活、どこからがアウトか 見栄を張りたくなるのは当然だが・・・
2018年卒業予定の学生を対象とした企業の採用活動が3月1日に解禁され、本格的な就職活動のシーズンが始まった。学生の中には、希望の企業から内定を得るために、エピソードをでっち上げたり、経歴やアルバイト先などでの実績を「盛って」アピールする人が少なくないようだ。
AERA2017年3月20日号によると、就活での「嘘」や「盛り」のパターンは3つあるという。1つは、順位や売り上げなどを実際より良く言ったり、役職などを偽る「実績盛り」。2つ目は、面接官にウケそうなキャラクターを演じるパターンで、3つ目は他社の選考状況についての嘘だという。
就職活動の面接で、経歴を盛ったり、嘘のエピソードを語ることについて、法的な問題はないのだろうか。黒栁武史弁護士に聞いた。
「行き過ぎたウソ」のリスク
「厳しい就活を勝ち抜くために、『経歴を盛る』などして、見栄を張りたくなるのも人情だと思います。
しかし、面接や履歴書などから得られる情報は、企業が採否を判断する上で貴重な資料となります。そこに嘘があれば、企業が採否の判断を誤ることにつながります。経歴を偽って入社されると、企業運営に問題が生じかねませんし、経歴詐称自体が企業と従業員間の信頼関係を喪失させる要因にもなります。
以上のことから、多くの企業では、就業規則において、経歴詐称を懲戒事由としています。
また、(経歴詐称が判明した段階に応じ)採用内定の取消、本採用拒否、解雇などの処分の対象になる可能性もあります」