レゴランドの「物足りなさ」は計算づくだった マダム・タッソーの運営会社が描く戦略は?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
約60メートルの高さのオブザベーション・タワーから施設を一望できる(記者撮影)

価格設定が大人6900円、子ども(3~12歳)5300円と強気なだけに、「(デートなどで)大人だけでも楽しめそう」と期待して出かけると、肩透かしを食らうかもしれない。

レゴランド・ジャパンを運営するのは、英マーリン・エンターテイメンツ。ディズニーのパークを運営するウォルト・ディズニー・アトラクションズに次ぐ世界2位のテーマパーク運営会社だ。レゴランドだけでなく、ろう人形館「マダム・タッソー」など中規模のテーマパーク運営を得意とする。

“世界観”づくりの発想が乏しい

「マーリン社は、ディズニーやUSJと発想がまったく異なる」と指摘するのは、レジャー産業に詳しい余暇産業研究所の井手信雄主席研究員だ。井手氏によると、ディズニーやUSJがパーク内の“世界観”を重視し、ディズニー映画やハリウッドの街並みを再現するなど、大人が歩いても楽しいパークにしている一方、「マーリン社にはそうした世界観を作るという発想は乏しい」(井手氏)と指摘する。

世界遺産・姫路城も再現されている。ただ、背後には高速道路が走るなど、没入感には乏しい(記者撮影)

実際にレゴランド・ジャパンの園内に足を踏み入れても、レゴの模型は目に付くが、レゴムービーの世界に迷い込んだような独特の世界観は伺いにくい。

園外を見渡すと、むき出しの高速道路も目に入る。320億円という抑制した投資額で、“世界観”よりまずは個々の施設の充実を重視した証拠といえるだろう。

次ページレゴの世界観が十分に引き継がれていない理由は?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事