「社長が何でも抱え込む」会社は成長できない できるリーダーは社員を信じて仕事を任せる
考えてみてください。トヨタ自動車の豊田章男社長は自分で車をつくっていません。ユニクロを運営するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長も自分で洋服を売っていません。当たり前のことですが、お客の期待が社長1人に集中してしまうと、ニーズが属人化(お客様が「社長が仕事をしてくれなければ嫌だ」と考えてしまうこと)してしまい、大きな成長が見込めなくなってしまいます。
料理人、歯医者さん、美容師さん、畳屋さん、保険や車の営業マン、このような職種の人は、人気が出れば出るほどご指名が増え、本人は忙しくなるばかりです。
そこで、目の前の少ないお客様を満足させるだけの職人や個人事業主で一生を終えるのか、いまより何倍、何十倍のお客様を幸せにする仕組みを考えるのかは、その人の「志」次第というわけです。
「組織化」を図るためには
仕事の「属人化」から脱却し、「組織化」を図るためには、社長が何でも仕事を抱え込むのではなく、どんどん部下に任せなければなりません。
任せるとは丸投げでもなく、放任でもありません。任せたから一切口出しをしないとか、ミスをしても叱らないというのもいけません。「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」とは山本五十六の有名な言葉ですが、まずは上司がお手本を見せること、そしてやり方を手取り足取り教えて、やらせてみなければなりません。
社長が忙しくなりすぎてしまうと、部下の前で手本を示したり、手取り足取り教える時間が取れなかったり、日々中途半端な指示を繰り返すことになってしまいます。そして、結局「部下に教えるより自分がやってしまったほうが早い」という悪循環に陥ってしまいます。
自分で手を動かすのではなく、部下に教えるのが社長の仕事です。社長と同じような仕事ができる部下が1人、2人と育つことによって、会社は一気に2倍、3倍と伸びていくのです。
そして、部下が少しずつ仕事を覚えてきたら、今度は最初から最後まで指示をしたり、細かいミスを指摘したりするのではなく、部下に裁量を与え、部下たちだけでもっといい仕事や、もっと短時間でできるやり方を考えられるのが望ましいでしょう。いつまでも細かい指示を繰り返していると、社員はやる気を失い、自分の頭で考えることを放棄して指示待ち人間になってしまいます。
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