「社長が何でも抱え込む」会社は成長できない できるリーダーは社員を信じて仕事を任せる
そして、目標数字を全社員と共有するもう1つの意義は、目標を声に出すと社長自身が本気になれるということにあります。
内に秘めた目標は誰にも伝わっていませんから、達成できなくても自分の中で言い訳ができます。「社員の頑張りが足りなかった」「商品開発に想定外の時間がかかった」「見込みが甘かった」など。
全社員に伝えてしまった目標が達成できないと、社員の士気にも悪い影響を与えますし、何よりも自分で言った以上は達成できないと格好悪いですから、どうやれば目標数字を達成できるかを自然に考えます。いつもそのことを考えるようになるので、本や新聞で読んだこと、人との会話の中などにちりばめられている目標達成や問題解決のヒントを、逃さずキャッチできるようになるのです。
私の友人は、「社長はヒーローでなければならない」「そして、ヒーローはみんな有言実行だ」と言っていました。ヒーローは黙って姑息な攻撃を仕掛けることは絶対にしない。
マジンガーZは「ロケットパ~ンチ!」と叫んでからパンチを繰り出し、ドラゴンボールの孫悟空は「か~め~は~め~波~~!」と言ってから波動を出すのです。そして社長はヒーローなのだから有言実行なのだというのです。
もちろん、日々社長が目標数字を公言し、社員の耳と頭にすり込んでいくうちに、社員もその気になっていきます。頭で考えるのではなく、「声に出して言う」ことにはそれくらい大きな力があるのです。
目標は誰が決めればいいのか
そんな会社の目標数字は誰がどのようにして決めるのがいいのでしょうか。このことを私は、日ごろからよい経営を考え抜き、実践しているH社長から教わりました。
「目標とは『意志』なのだから、いちばん高い志をもっている社長が決めて部下に伝えるべきだ」という人がいます。部下にとっては、目標は低いほうが楽ですから、部下に目標を決めさせては高い目標などつくれるはずがないというわけです。
一方で、「上から言われた数字では社員が本気になれるわけがないから、目標数字は社員が自分たちで決めて積み上げるべきだ」という人がいます。社員が自発的に動くためには、自分たちが自発的に設定した目標である必要があるというわけです。
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