採用面接、「親の職業」を確かめても良いのか

「立ち入った質問」はどこまでがセーフ?

結婚、妊娠、出産の予定に関する質問は、男女で異なる取り扱いをすべきでないという男女雇用機会均等法の趣旨に抵触すると見られる可能性が高いので、やはり控えるべきです。

家族の職業・勤務先についての質問は、会社側が『聞いても特に問題ないだろう』と考えて行うこともあるかもしれません。ただ、これらは本人の能力や心がけで変えることはできないことであり、不当な差別につながるという疑いを免れないので、やはり差し控えるべきでしょう」

現住所に関する立ち入った質問もNG

「厚生労働省の指針では、以下の個人情報は原則として収集してはならないとされています(平成11年労働省告示第141号)。

(1)人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項(2)思想及び信条(3)労働組合への加入状況

家族の職業、収入、本人の資産などの情報も(1)に含まれると考えられますが、税金や社会保険の処理など、労務管理を適切に行う際に、不可避的に取得せざるを得ない場合は除かれます。

注意すべきなのは、現住所について立ち入った質問を行うことです。履歴書に現住所が記載されていることは多いでしょうが、自宅周辺の環境などについてまで立ち入ったことを聞くと身元調査のような印象を与え、差別的な意図を疑われる可能性があります。

採用面接は会社の業務についての適性・能力を見極めるために行われるものなので、質問事項は求職者の適性・能力との関係で十分に練り上げて準備することが、会社にとっても実りが多いと思います」

中村 新(なかむら・あらた)弁護士
2003年、弁護士登録(東京弁護士会)。現在、東京弁護士会労働法制特別委員会委員、東京労働局あっせん委員。労働法規・労務管理に関する使用者側へのアドバイス(労働紛争の事前予防)に注力している。遺産相続・企業の倒産処理(破産管財を含む)などにも力を入れている。
事務所名:中村新法律事務所

 

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