若手社員が花束贈呈の担当者に指名されることも多いだろう。渡し方に、作法はあるのだろうか。
「花束贈呈で気を付けてもらいたいのはひとつだけ。それは、花束の花をみんながいる方に向けて贈る相手に手渡すことです」(西澤氏)。花束を贈呈した後、花束を入れる袋を渡すことを忘れないようにしよう。
お見舞いのときには、選ぶ花に注意が必要!
ところで、花を贈る時には、選んではいけない花や色はあるのだろうか。先輩社員に聞くと、「とくに意識したことはありません」(総合商社勤務のSさん)、「花言葉を気にして選んだことはないですね」(メーカー勤務のWさん)と、多くの人はあまり意識していないようだ。西澤氏も「一般には、どんな花を選んでも構わない」と語る。しかし、お見舞いの時だけは特別な配慮が必要だという。
避けたいトップバッターは鉢植え。「根付く」が「寝付く」を連想させるからだ。知っている人も多いタブー中のタブーなので、持っていくと、嫌がらせと誤解される可能性は高い。花の色では「赤」がNGだ。血をイメージするからだという。葬儀に使われる白・青・紫系も避けたほうが無難だと言われている。
花の種類では、「死」と「苦」を連想させるシクラメンや、花が落下するので縁起が悪いとされる椿やチューリップ、色あせて枯れていく姿が不吉とされる紫陽花、葬儀に使われる菊なども避けたほうがいい。また、ユリやフリージアやスイセンなど香りが強い花も避けた方が無難だ。もちろん、フラワーショップの販売スタッフに「お見舞い用」と告げれば、そうしたタブーに配慮した花束やフラワーアレンジメントを作ってくれる。
花束贈呈のとき、見栄えを考えると大きいほうがいいが、贈られた当人は、持ち帰りのときに大変だろう。「退職のとき、いくつもの部署から花束をいただき、大荷物になった。やっと家まで運んだら花瓶が足りなくて困った」(広告代理店勤務のFさん)といった声もある。その後開かれる飲み会などの会場への移動中に、せっかくの花が傷んでしまうこともある。
「セレモニーとしては見劣りするのが難点ですが、最近は、蓋が閉まるタイプのアレジメントボックスを贈るケースもあります。花束を持って電車に乗りたくないといった人には好評です」(西澤氏)。持ち運びやすさへの配慮も時には大切だ。
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