三越伊勢丹、異例すぎる社長退任の巨大衝撃 杉江新体制はリストラを断行できるのか

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同社は当初、2016年度の営業利益計画を前期比12%増の370億円としていた。が、昨年10月に240億円へと下方修正。その後も低迷が続いており、残業代や店舗修繕費など経費を必死に削減しても「240億円の達成すら厳しい」(同社関係者)状況だ。

同社は伊勢丹時代からの伝統で、毎年夏、前年度の業績を基にした決算賞与を支給する。最近では3カ月分近い水準が出ていたが、今年は例年にない業績の低迷により決算賞与は半減する見通しだ。

三越伊勢丹はほかの百貨店に比べて高給なことで知られるものの、本給は安く、賞与で還元する仕組みになっている。伊勢丹出身のある社員は、「この決算賞与は衝撃的。そもそも三越と一体になってからは、賞与は頭打ち。統合による果実をまったく実感できない」と吐露する。

現場はリストラ対象店舗をメディアで知った

こうした状況に追い打ちをかけたのが、大西氏のスタンドプレーともいえる言動だった。

2016年11月に開かれた決算会見の席上でのこと。苦戦する地方・郊外店についての改善策を問われた際に、大西氏は伊勢丹松戸店、伊勢丹府中店、広島三越、松山三越の4店を具体的に挙げ、百貨店部分の縮小やテナント誘致など抜本策を講ずる方針を明らかにした。

実はこの時点で4店の改革については社内で機関決定されていなかった。それ以外にも「新潟、札幌の重複店舗の整理」「正月営業の見直し」など、大西氏の口からは次から次へと重要事項が伝えられ、報道先行となった。

これに強く反発したのが、“現場”だった。同社の労働組合は年末にかけて、全従業員に対してアンケートを実施。すると社員からは厳しい声が続々と集まった。

労組は「各種メディアを通じ、これまで名前が挙がっていなかった店舗の構造改革や100億円の人件費削減など断片的な情報が発表されて、職場が混乱した」と経営陣に強く抗議。社内の不満を突き付けられ、大西氏は辞任を決断せざるをえなかった。

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