安倍首相夫人が「私人」とは言えない根本理由 活動を自重する様子を見せていないが・・・

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そして今、この昭恵夫人の活動が問題となっている。2015年9月5日に塚本幼稚園で行われた講演会に、総理夫人専属の政府職員を同行させていたことが発覚したからだ。

「内閣総理大臣への同行や国内外への会議の出席など内閣総理大臣夫人の行動のサポート等を適切に行うため、総理の公務が全体として円滑に進むようにする必要があることから、総理夫人をサポートする職員を全体として5名配置している」

3月2日の参院予算委員会で、自由党の山本太郎議員の質問に対し、土生栄二政府参考人(内閣審議官)は総理夫人に専属の職員が付いていることを初めて明らかにした。

その内訳は経済産業省出身の常勤2人と、外務省からの非常勤3人。2006年以降のほとんどの政権で、首相夫人には外遊や来賓接遇のプロトコル指南のために外務省から非常勤1人しか付けられなかったという事実からも、昭恵夫人への“厚遇ぶり”が見てとれる。

菅直人総理夫人はひとりで行動していた

「確かに昭恵夫人は活動的だが、菅直人総理夫人の伸子さんも東日本大震災の被災地にボランティアに行くなど、とても活動的だった。でも伸子さんには常勤の政府職員は付いていなかった。個人的に秘書をひとり雇い、その人がスケジュール管理などをこなしていた。被災地へのバスにも、ひとりで乗っている」

民進党の辻元清美衆院議員は昭恵夫人に対する“特別扱い”をいぶかしむ。

「まるで女王かお妃のような遇し方だ。安倍政権は自分たちを王朝と勘違いしているのではないか」

確かにそう思われても仕方ないところがある。たとえば随行職員に対する扱いだ。3月3日の衆院国土交通委員会では民進党の玉木雄一郎議員の質問に対し、土生政府参考人がこう答えている。

「(随行した)職員については確認をしたところ、公費により出張した事実はない」「夫人の依頼によって、夫人側の負担によって国内において出張することはありうるものと承知している」「2015年9月5日については、確か土曜日であったと思うが、勤務時間外だったので、これは職員の私的活動に関すること」

これではまるで、随行職員は総理夫人の私的な使用人と変わりない。

しかしこれは事実ではなかったのだ。

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