「怒りを自ら作り出す人」の残念な思考回路 怒りを「大掃除する」効果的な方法

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たとえば、嫌いな相手の振る舞いや、思いどおりに進まない現実への怒り、いつ始まったのか自分もわからない慢性的なイライラなど――これらはすべて、肉体ではなく、心が刺激を受けて生まれた反応です。

しかし、不思議な現象だと思いませんか? なぜ物理的な接触がないのに、心が刺激を感じて怒ってしまうのでしょうか?

心が刺激されてしまう理由――そこを突き止めることが、「怒らない方法」の決定的なポイントになります。

初公開・怒りを克服する3つの対策

ブッダの知恵を生かせば、怒りのタイプは3つです。そのタイプごとに「怒らない方法」を、まとめてみましょう。

《その1 貪欲タイプの怒り》

ひとつは、「貪欲」つまり “欲求過剰”(求めすぎ)な精神状態からくる怒りです。

たとえば「もっと高く評価されたい」「もっと業績を上げたい」「もっと早く、もっと高いスコアで試験に受かりたい」といった願望です。

人間関係で「あの人とは話が合わない」「わかりあえない」という不満・ストレスも、意外かもしれませんが、貪欲タイプの怒りだったりします。

つまり、相手に「わかってほしい」「こうあってほしい」「味方でいてほしい」という過剰な期待や要求が、そうはならない現状に「怒り」をつくり出しているのです。

<対策>

こうした求めすぎタイプの怒りは、「私が求めすぎているんだな(欲求過剰なんだな)」と客観的に理解することが、コツになります。

というのも、求めすぎている精神状態では、何も変わらないからです。他人は、自分以上に変わりにくい(期待できない)相手なので、そのままでは、不満も、相手との衝突も、続いてしまいます。

そこで、求めすぎている状態に気づいて、「考え方を切り替えよう」と考えます。「自分に今できることは何だろうか?」と、自分に聞いてみるのです。

体を動かす作業。自分の役割。自分にとって有意義で、楽しいこと。できることは、意外とたくさんあります。自分の持ち分・領域のほうに心を向けることを基本とするのです。

こうした心掛けを、仏教の世界では「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」と表現します。反応するより、自分の足元をよく見よう、という意味です。

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