金正男氏殺害は猛毒「VXガス」によるもの 目と顔から検出=マレーシア警察
[クアラルンプール 24日 ロイター] - マレーシア警察は24日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏の殺害事件について、猛毒の神経剤であるVXガスが使われたとの暫定報告を発表した。VXガスは、国際連合が大量破壊兵器に指定している化学兵器。
マレーシア警察のカリド・アブバカル長官は、同国政府の化学兵器分析部門が提出した初期段階の報告書によると、金正男氏の目と顔から採取した物質からVX神経ガスが検出されたと発表した。他の証拠品については分析中だという。
警察は、VXガスが国内で製造されたものか、海外から持ち込まれたものかを調査中だとしている。
VXガスは無味無臭で、化学兵器禁止条約により「研究、医療又は製薬の目的」を除き所持が禁止されている。液体、クリーム状、エアロゾル(煙霧質)で製造でき、大量に吸収すると15分で死亡の危険がある。米陸軍エッジウッド化学生物学センターは、確認されている中で最も毒性の高い物質としている。
2015年には、シリアの未申告の軍事調査機関で、サリンとともに痕跡が発見された。
金正男氏は13日、クアラルンプール国際空港からマカオへの飛行機に搭乗しようとした際に女性2人に襲われ、毒物の入った液体を顔に塗り付けられて死亡。韓国と米国の当局は、北朝鮮工作員が関与したとの見方を示した。
*内容を追加します。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら