飯山駅は北陸新幹線開業でどう変わったか 上越妙高駅は関西弁であふれかえる

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また、スキー場に注目したオーストラリア人がペンションを経営するようになった。彼らは従業員を含めて若い層だから子供もいて、保育園の園児が増えてきた。おまけに、園では英語が飛び交い、地元の子どもたちにとって願ってもみなかった国際教育になっているとか。

上越妙高駅はJR東日本とJR西日本の境で、広い2面4線ホームに拠点性がうかがえる(写真:鉄道ジャーナル編集部)

大都市からの移住にしろ外国人にしろ、彼らは田舎の古い風物に宝を発見し、アクティブに発信する。地元がそれに触発され、行政がいかに腐心しても難しかった活性化が絵空ごとではなくなってきた。飯山市では、新幹線開業までは駅整備や駅前区画整理などのハード面に全力を注がざるを得なかったが、開業後の今は、新幹線効果としてそれらを活かすソフト面の対策に軸足を移している。

飯山駅のホーム端から北陸新幹線最長22.3キロメートルの飯山トンネルに入り、抜けると新潟県高田平野の上越妙高に着く。JR東日本とJR西日本の境界で、2面4線を備えている。ちなみに「かがやき」は停車しないので、乗務行路の組み立てから、列車の乗務員交替はすべて長野で行われる。

上越妙高駅は上越市に所在し、旧信越本線脇野田駅に隣接して建設された。その在来線線路も新幹線高架脇に移設され、新幹線開業日からえちごトキめき鉄道上越妙高駅となっている。もともと田園地帯の小駅だったが、温泉施設やマンション開発が決まっている。

ビジネス利用も多い

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新幹線高架下と在来線上をつなぐ駅舎(自由通路)はゆったりとし、コンコースと向き合う形で駅弁や土産物の販売店、セルフ式の飲食コーナー、観光案内所を一堂に集めた店舗スペースが設けられ、一応の用は足せる。近年の新設新幹線駅は必ずしも大きな駅とは限らないから、ときに戸惑うこともあるが、ここは意外に充実している。

また、この駅は従来の在来線直江津駅を肩代わりすると考えてよく、直江津港に面した工業都市の性格も持つのでビジネス利用が見られる。もちろん、佐渡や妙高方面の観光需要も期待されるが、観光面で言うならば日本三大夜桜に挙がる高田城の桜の時期に尽きる。

一方、ふたを開けて関係者を驚かせたのが、関西方面からのツアー観光客の大量下車だった。その目的地は当地でなく、日光・鬼怒川や東北地方にまで広がっていたのだと言う。「サンダーバード」と北陸新幹線を乗り継ぎ、そして上越妙高で観光バスに乗り換え、各地に散る。JR東日本エリアに乗り入れないコース設定がミソだ。

オンシーズンは関西弁であふれかえるとのことだが、通り過ぎるだけなので単純には喜べない。また、もともと直江津市と高田市を合併した市なので二極があり、中間の春日山に市役所を置いて三拠点となり、さらに新幹線駅が脇野田に立地して四拠点化の様相を見せる。人口減の中で現実的な集客や街づくりが最大の課題となっている。

鉄道ジャーナル編集部

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車両を中心とする伝統的な鉄道趣味の分野を基本にしながら、鉄道のシステム、輸送の実態、その将来像まで、幅広く目を向ける総合的な鉄道情報誌。創刊は1967年。

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