「新幹線を全国に」田中角栄の鉄道政策とは?

「日本列島改造論」に見る45年前の未来図

田中角栄は「日本列島改造論」で全国を新幹線網で結ぶ構想を示した(写真:tarousite / PIXTA)

社会に閉塞感の漂う現在において「もしいま、田中角栄がいたら」と考える人は多いのかもしれない。高度経済成長期に首相を務め、昭和の代表的政治家の一人である田中角栄に対する人々の関心は高まっており、『田中角栄100の言葉』(宝島社)や、田中角栄を描いた石原慎太郎の小説『天才』(幻冬舎)はベストセラーになっている。

田中は、たたきあげで一国の総理大臣になったという経歴や、類まれな人心掌握術などを軸に評価されることが多い。その一方で、立花隆が「田中角栄研究」で描いた金脈の問題や、児玉隆也が「淋しき越山会の女王」で描いた女性問題(いずれも『文藝春秋』に掲載)、さらにはロッキード事件などで世間を騒がせた人物という側面も大きい。一般的に多くの人が抱く「田中角栄」のイメージは、こういったものかもしれない。

「日本列島改造論」で描かれた鉄道の未来図

しかし、田中角栄には「政策通」としての面もあったことを忘れてはならない。自ら提案したもので33件、関わったものでは100以上もの議員立法を成立させたことでも名を残しており、現在までこれほどの議員立法をつくった政治家はほかにいない。また、主著『日本列島改造論』(日刊工業新聞社)では、田中が自民党総裁選に出馬するにあたり、交通政策を含め今後の日本をどのようにしていくかを具体的に記しており、政策には極めて明るかった。

では、自らも新潟県の越後交通(バス会社、かつては鉄道も運営)の経営者を務めていた経歴を持つ田中角栄はどんな交通・鉄道政策を打ち出していたのか。「日本列島改造論」を軸に記してみよう。

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