さて、経済面。
当初、「貿易問題で日本を批判する」、なんて書いている新聞もありましたが、違いました。これも私が今まで書いてきたとおり、トヨタ自動車は日本の会社ですが、トヨタアメリカはアメリカの会社なんですよ。そんなことはトランプ大統領は百も承知で、すでに何十万人もの雇用を生み出しているトヨタに対してここで文句を言うわけがない。
「麻生副総理=ペンス副大統領ライン」もヒット
さらに、今回細かいことは抜きにして、「麻生副総理=ペンス副大統領ライン」でいろいろ決めていこう、という話になったのも、ある意味大ヒットです。
麻生さんはもうご経験も十分ですし、何よりペンス氏はインディアナ州知事であったわけで、日本企業がもっとも進出している州のひとつがインディアナ州。そこの知事だったわけですから、日本企業のアメリカ経済に対する貢献について、これ以上知っている人はいないと言ってもいいくらいです。
この二人が話を主導していく、ということになればあまり日本に悪く転ぶことはないだろう、と考えられるかもしれません。交渉はこのラインが中心に入ります。
そして安倍さんが偉かったのは、早い時期から「イスラム7か国からの入国制限」については一切コメントしなかったこと。これもヒットでした。賛成でも反対でもない。「これはあくまでもアメリカの問題なんだから日本はコメントする立場にない」、というのは全くその通りで、その意味ではアメリカも日本の特殊事情については、これでモノが言えなくなってきたわけです。俗にいう「貸し」ってやつですね。こういう困った時に貸しを作るというのは結構重要で、後から感謝されるもんですよ。
もっと言ってしまうと、ご想像の通り日本の難民入国に対する規制は世界中で一番厳しい部類に入ります。アメリカにそんなこと(入国制限はおかしい)を言ったら、「じゃ、お前の所はどうなんだ」、言い返されるに決まってますわね。
そういう議論にならないようにこの問題から遠ざかった安倍首相は正解だったと思います。アメリカが本当に困ったら、では日本が…と出て行けば相当効くでしょう。まさにこれはビジネスの呼吸です。
と、ここまでは持ち上げておいて……
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