新型特急「リバティ」で東武はどう変わるのか 「中年記者」が素朴な疑問10連発!
8)でも、なぜ運河止まり?
大宮発のアーバンパークライナーの特急料金は、春日部まで単一料金で310円。下りTJライナーの着席整理料金と同額だ。春日部以東は乗車券のみで利用できるので、春日部―運河間の各駅の利用者は「夜に乗った電車がたまたま特急車両だった」というラッキーなこともありうる。
でも、気になるのは「なぜ運河まで?」というところ。もっと言えば、浅草方面からの列車も野田市まで。なぜ柏や船橋まで行かないのだろう?
その答えは「伊勢崎線から野田線に乗り入れる列車は野田市まで、大宮からの列車は運河までの区間に需要があるととらえている」ためだという。JR常磐線や総武線で都心から1本の柏や船橋まで走らせるよりも、野田線が強みを発揮できる区間に運転しようということのようだ。
9)夜の大宮行き、着いたあとはどうなる?
さらに気になるのは、アーバンパークライナーとして運転された500系が大宮や野田市に着いた後だ。どこかへ帰るのか、あるいはそのまま夜を明かすのか。そこで「夜、大宮に着いたあとはそこで一泊するの?」と聞いてみると「大宮や野田市に着いたあとは回送で北春日部の車庫へ戻る」との答えが返ってきた。
ちなみに、最終の特急となる浅草22時50分発・リバティけごん257号新栃木行きは「そのまま新栃木に泊まって、新栃木を翌朝6時過ぎに発つリバティけごん208号の運用に就く」という。
首都圏にクロスシートの波は来るか
10)柏や船橋、亀戸発の予定は?
50歳にさしかかろうとする中年記者は、南栗橋車両管区での報道公開で、最後の最後まで子どものように質問を連発し続けた。「柏発、船橋発、亀戸発の予定はないの?」と、慣れないヘルメットがズレるのを直しながら聞くと、担当者はこう教えてくれた。
「いままさに、リバティ500系が走る予定がない区間を試運転中。野田線の柏や船橋へも入れてチェックしている。宇都宮線や佐野線も」。ちなみに「貫通扉があるからといって、地下鉄には入れない」のだそうだ。
この取材の2日後、JR京葉線・武蔵野線・東北線を通って、茂原と川越を結ぶ臨時快速「おさんぽ川越号」に乗った。使用車両は房総特急用のE257系電車。リクライニングシートを倒し、野田線のひとつ内側(都心側)に延びる武蔵野線を行くとき、思わず発してしまった。「あ~あ、野田線の船橋と大宮を結ぶ特急があればなあ」……。
これまで特急がなかった野田線にも走る「リバティ」500系。その自由さを活かして、今回登場する列車以外にも、さまざまなルートを走る特急が生まれることはあるだろうか?
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