新型特急「リバティ」で東武はどう変わるのか 「中年記者」が素朴な疑問10連発!

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5)野田線から浅草方面へ行く列車は?

今回のダイヤ改正で設定される野田線乗り入れの特急アーバンパークライナーは、浅草20時30分発大宮行の1号と、浅草21時30分発大宮行き・野田市行きの3号で、ともに平日のみ運転される夜間の下り列車だ。

そこで「野田線から都心への上りの設定は?」と聞いてみると「今後、需要やダイヤなどを見ながら検討していく。いずれは、大宮や野田市の方から都心へと向かう朝の上り列車も走るようになるかも」との答え。果たしてどうなるか。

6)野田市方面へはスイッチバック?

特急アーバンパークライナーで、藤の牛島、南桜井、川間、七光台、清水公園、愛宕、野田市へと帰る乗客は、春日部で進行方向が逆転(スイッチバック)することになる。地元の路線を後ろ向きに走る電車で家路につくのは、どんな気分だろう。担当者は「それはもう、線路の構造上……」と苦笑い。鉄道好きには楽しいひとときかも知れない。

伊勢崎線沿線への新たな帰り道に

7)「大宮発」特急の狙いは?

「リバティ」の車内(撮影:尾形文繁)

4月21日ダイヤ改正からの東武線下り特急時刻表には、浅草発の列車がずらり並ぶなかに、「大宮発」が1本だけある。大宮22時43分発、運河行きの特急アーバンパークライナー2号だ。

東上線に座席定員制列車「TJライナー」が登場してから9年が経とうとする今年、野田線内を走り出すクロスシートの特急。平日・片道に限るこの野田線内単独特急、一体どんな狙いがあるのか?

その答えは「もちろん、大宮から野田線に乗り換えて野田線の春日部以東へ帰る人たちの着席需要に応えるという意味もある。いっぽうで、伊勢崎線の定期利用者を大宮からフォローするという狙いもある」。

具体的には「たとえば、新宿や渋谷、池袋、上野、東京などから帰るとき、JR東北線や埼京線で大宮まで来てもらい、そこから野田線を経由して春日部から先へと向かってもらうというイメージ」だという。伊勢崎線沿線に帰るため、地下鉄で浅草へ、JRで北千住や南越谷へ向かうという人たちに「これからは大宮という選択肢もあるよ」と提案するのが狙いだ。

私鉄最長の複々線を持つ東武が、自前の路線だけでなく、JR路線とシェアしながら新たな沿線価値を見出そうとする一手と見えた。

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