フランスが日本よりも「IoT」で先行する理由

国の支援に大きな差はないはずなのに

IoTに強い国といえば、グーグルやアマゾン、アップルなどの巨大テクノロジー企業を抱えるアメリカが思い浮かぶ。また日立製作所、ソニー、パナソニックなどのハードウエア企業を抱える日本なのではないか、と思っている読者も多いかもしれない。実際はそうではない。

日本は自動車や家電などのBtoC、つまり消費者向けのメーカーが多いのに比べ、フランスは核発電施設などのBtoG、いわゆる政府や自治体など向けが中心ながら、実は日本と同じ工業大国である。

「BtoCのハードウエアメーカーが少ない」

フランスにハードウエアスタートアップが多いことの要因のひとつに、「BtoCのハードウエアメーカーが少ない」という点がある。その点、日本にはBtoCの大手メーカーが多いため、優秀な学生も、まずは安定している大手メーカーを選択するケースが多いそうだ。

「IoT」は日本ではいまだにバズワードにとどまっているが、フランスではすでに成功したといえるようなハードウエアスタートアップも出てきた。

たとえば、ペッパーを開発したアルデバランロボティクスはソフトバンクに、スマート体重計を開発したウィジングズはノキアに、それぞれ高額で買収されている。

「フランスと日本は似ているが、最大の違いは『空気感』だろう」。そう語るのは、ヨーロッパ最大級のハードウエアスタートアップに特化したベンチャーキャピタルであるHardWare Clubのジェネラルパートナー、Jerry Yang氏である。

2014年よりフランス貿易投資庁は「フレンチテック(La French Tech)」というスタートアップ支援プログラムを開始した。フランスのテクノロジースタートアップが国際レベルで活躍できるネットワークの形成とブランド力向上を主目的としている。

こうしたプログラムによって、テクノロジースタートアップが資金を獲得しやすくなったり、コミュニティが育ってきていたりしているのはもちろんながら、このプログラムをオランド仏大統領自身が積極的に推進してきたおかげで、フランス全体に「起業する若者を応援する『空気感』」が生まれているそうである。

次ページ世界中のテクノロジー企業が集結
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 財新
  • 実践!伝わる英語トレーニング
  • 晩婚さんいらっしゃい!
  • 野口悠紀雄「経済最前線の先を見る」
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ホンダ「4代目フィット」がイマイチ売れていない理由
ホンダ「4代目フィット」がイマイチ売れていない理由
京セラのガラパゴススマホ「トルク」がたどり着いた境地
京セラのガラパゴススマホ「トルク」がたどり着いた境地
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
「半導体パニック」自動車産業に与える巨大衝撃
「半導体パニック」自動車産業に与える巨大衝撃
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
激動相場に勝つ!<br>株の道場

6月18日発売の『会社四季報』夏号が予想する今期業績は増収増益。利益回復に支えられる株価が上値を追う展開になるか注目です。本特集で株価が動くポイントを『会社四季報』の元編集長が解説。銘柄選びの方法を示します。

東洋経済education×ICT