フランスが日本よりも「IoT」で先行する理由

国の支援に大きな差はないはずなのに

フレンチテックでは、世界中のテクノロジー企業が多い都市にハブとなる「フレンチ・テック・ハブ」を創り、その都市の企業とフランスのスタートアップのコラボレーションや、その都市のスタートアップとフランスの企業とのコラボレーションを促進する取り組みを進めているようだ。

また、昨年度には、スタートアップの創業者や従業員、およびその家族をサポートするビザ「フレンチテック・ビザ」の発行をスタートさせ、フランスのスタートアップムーブメントに大いに貢献している。

実際、「フランスのテクノロジースタートアップの海外進出を推進する」という目的どおり、フレンチテックの雄鶏のシンボルマークはCESの会場でも数多く見かけた。

支援だけなら日本も負けていない

このような取り組みを見ていると、圧倒的にフランスがリードしているように見えるが、国の支援だけなら日本も負けていない。

政府は昨年度より、2020年までに日本のスタートアップを世界進出させることと、大学・研究機関の研究成果の事業化や、大企業とのオープンイノベーションの推進を目的とした「ベンチャーチャレンジ2020」という支援プログラムを開始している。政府からの支援額も数百億円程度と他国に大きく劣っているわけではない。福岡市では、フレンチテックが発行しているようなスタートアップビザも導入されている。

そんな日本の現状を、日本で唯一と言っても過言ではないハードウエアアクセラレーターであるABBALab代表の小笠原治氏はこう分析する。「日本政府もちゃんとスタートアップ支援政策を打ってはいるのだが、それがキャッチーに見えないというのが大きな問題。だからリーチすべき人たちに知られていない」。

また、小笠原氏は「そもそも、政府の支援が必須というより、スタートアップが投資家と出会えたり、官僚とスタートアップが結びついたりするようなコミュニティを育てていくことが重要」とも指摘する。

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