参院選で「アベノミクス」に一段の追い風 自民圧勝なら株価は一段高も
株価は自民圧勝なら一段高も
株式市場では、自民党の参院選圧勝で一段高に買われるとの期待感が高まっている。上下両院のねじれが続いている米国、政局不安がくすぶる欧州、高成長に歯止めがかかった中国などの新興国と比べ、衆参のねじれ解消が期待される日本株式市場は世界的に良好な投資環境になるとの見立てだ。「海外勢は法人税減税と労働規制の緩和に注目している。自民党が圧勝し両政策に対する期待感が高まれば、海外資金の流入が期待される」(楽天経済研究所シニア・マーケットアナリストの土信田雅之氏)という。
マネックス証券チーフ・ストラテジストの広木隆氏は、2012年12月の衆院選後と13年4月の日銀異次元緩和後に株高が加速したことを受け、アベノミクス相場は材料を確認してから買いが強まる傾向があると指摘する。「『うわさで買って事実で売る』ではなく、事実確認後に資金流入が加速しやすい相場だ。参院選も自民圧勝を確認してからロングオンリーの海外勢が本格的に買い参戦してくるだろう。デフレ脱却という日本の最終的な目標が達成されるまでは材料出尽くしとはならない」(広木氏)とみる。
一方、短期的には売り圧力が強まるとの指摘もある。大和証券・投資戦略部課長代理の熊澤伸悟氏は「シカゴの日経平均先物円建ての投機ポジションが再び積み上がっており、参院選後にヘッジファンドなどの短期筋がいったん売りに回る可能性がある」と話す。熊澤氏によれば12月の衆院選後にも短期筋のポジション縮小が観測されたが、当時は中長期マネーの流入が売りを吸収した。ただ今回は「衆院選時と比べ株価水準が高いため、海外の中長期マネーの流入が鈍るのではないか。日本株は参院選後に2週間ほどの調整局面入りする可能性もある」(熊澤氏)と述べている。