エイブルに排除命令 ネットでニセ物件情報
不動産仲介のエイブルが、景品表示法違反で公正取引委員会から排除命令を受けた。公取は同社が自社サイトや情報提供先のCHINTAIが運営するサイトなどに架空物件や実際と異なる築年数を表示したとして、「おとり広告」などに当たると指摘。賃貸仲介業界では以前もチラシなどでの「おとり広告」が問題視されたが、サイト関連では今回が初めてだ。
今や賃貸物件は「ネットで探す人が最も多い」(不動産関係者)。紙媒体の教訓もあり、ネット上の“誘導合戦”がおとり広告の温床とならぬよう、業界でも一定の対策を講じている。「HOMES」や「フォレント」など大手不動産ポータルサイトは、運営会社が掲載物件の審査機関を設置。多くの不動産業界団体が加盟する不動産公正取引協議会(協議会)でも、自主規制を制定し、逸脱がある場合は企業へ警告を出している。
多くの賃貸仲介会社が複数サイトに物件情報を掲載する中、エイブルは自社サイトと「CHINTAI NET」のみで情報を提供。協議会にも未加盟で「あくまで自社内での規律が求められる立場」(不動産関係者)。
公取の指摘に対し、エイブルは「データの入力ミスやシステムの誤作動が原因」とし、チェック体制の強化など再発防止策を発表した。ただ、2000年に宅地建物取引業法違反で東京都に業務停止処分を受けた経緯もあり、業界内ではその“本気度”を疑う声もある。疑念払拭には対策を徹底させるほかない。
(許斐健太 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済)
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