日本は、やはりiPhoneが大好きな国だった 2016年10-12月期決算で分かったこと

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iPhoneを購入した顧客から生み出される収益は、アップルが今後、iPhone販売に次いで大きな柱にしていきたいカテゴリだ。2016年第2四半期からの3四半期は、サービスカテゴリがiPhoneに次いで第2の売上を生み出してきた。ちなみに2017年第1四半期はMacが好調で、第3位の売上規模に留まっている。

ティム・クックCEOによると、サービスカテゴリの売り上げを向こう4年間で倍増させるとしている。

さて、今回の決算発表とカンファレンスコールを通じて、筆者が疑問に感じた点が1つある。

前述の通り、過去最高の販売台数と過去最高の売上高を達成したiPhoneだったが、販売台数と売上高がともに5%増と一致していた点が気になる。
カンファレンスコールではiPhone 7 Plusの需要に応え切れていないほどの人気だと説明していたが、だとすると販売台数以上に売上高が増加するのではないか。

iPhone 7 PlusはiPhone 7よりも100ドル高く、またデュアルカメラを目当てに購入するのであれば、より大きな記憶容量を選択する。つまり、さらに100〜200ドル販売単価が上がる可能性があるからだ。

そこで考えられるのはiPhone SEやiPhone 6sといった、最新モデルよりも価格の安いiPhoneが、販売台数に貢献しているという点だ。先進国でのより高付加価値モデルの販売増と、新興市場での廉価モデルの販売台数増加から、販売台数と売上高がバランスしていると考えられる。

日本は20%増と突出した絶好調ぶり

さて最後に、地域別の数字を振り返る。2017年第1四半期の売上高は、それぞれ前年同期比で米国大陸で9%増、欧州3%増、アジア太平洋地域で8%増、日本は20%増だった。日本は引き続き2ケタ成長以上を続けていることになり、絶好調だった、といえる。

しかし引き続き下落が続いているのが中国市場だ。前年同期比12%減は、それまでよりも低い下落幅だ。カンファレンスコールでは、中国本土では前年同期比と変わらなかったとの指摘があり、2016年を通じたドル高傾向は、結果的に販売価格の上昇を招いているとしている。

中国の消費が拡大する春節を含む2017年第2四半期にどのような結果がもたらされるかは、4月末まで待たなければならないが、トランプ大統領のドル高牽制発言などもあり、ある程度の回復を見ることになることが予測できる。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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