40周年「ガラスの仮面」の知られざる裏側 作者・美内すずえさんが語る

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「真澄の婚約者である紫織は特に嫌われていて、登場カットをビリビリに破いたファンレター(?)も来ました。アシスタントの子たちまで、紫織のドレスにいつまでもスクリーントーンを貼ってくれず、“嫌いだから”と全員で放置する。それ以来、仕事中の特定のキャラクターに対するイジメを禁止してます(笑)。読者のみなさんも、もう少し先の展開まで待ってください」

ブーイングに負けずケータイも登場♪

作品が長く生き残り、何十年たってページをめくっても違和感なく読んでもらいたいと、工夫を重ねてきた。

「流行を感じさせるものは時がたつととても古く感じるので、描かないようにしています。スカート丈はミニやロングではなく定番の長さで。また連載開始当時は黒電話ばかりでしたが、現在は公衆電話も少なくなり、みんなが携帯電話やスマホを持っているでしょう。どうしようかと考えて、42巻(’04年発行)で思い切って携帯電話を出しました。当時はブーイングもありましたが、いまとなっては読みやすいのでは。劇中ではさりげなくテレビも薄くなり、高層の都庁が建ってるんですよ」

納得できるまでとことんこだわり、『ガラスの仮面』を描き続けている美内さん。ご自身の推しキャラを尋ねると、「(演出家の)黒沼龍三!」と即答。

「黒沼さんは描き始めたら勝手におしゃべりを始めるので、あとで整理しています。実在したら、すごく気の合う茶飲み友達になれそうですね。マヤは別格ですが、亜弓さんもけっこう好き。真澄のことは“いい加減にしろ”とツッコミを入れながら描いてます。あちこちで言ってますが、すでに物語の8割までたどり着いていて、あとひと山を越えるのみ。20代で手相を見てもらって、すごく長生きすると言われたので、20年前に決めた最終回のラストに向かって進むのみです」

私たち読者も最終回を読むその日まで、健康に気をつけて気長に、楽しみに待つことにしよう!

<Profile>
みうち・すずえ 1967年、高校時代に『山の月と子だぬきと』でマンガ家としてデビューし、今年で50年。少女マンガ誌『花とゆめ』’76年1号で連載開始した『ガラスの仮面』が大ヒット、一躍ベストセラー作家に。現在、単行本49巻まで刊行され、累計発行部数は5000万部超え。

 

※40周年記念の本が発売。『大人のぬりえ ガラスの仮面』(白泉社)は“ガラかめ”のキャラクターを自在に色づけ。「ふたりの王女」舞台&紙人形セットなどのおまけつき。日めくり『まいにち、月影先生!』(白泉社)も発売中。『「ガラスの仮面」の舞台裏』(中央公論新社)は舞台やドラマの主演女優・大竹しのぶ、安達祐実、ファン代表の東村アキコらとの座談で連載をふりかえる。

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