「キラキラ女子」燃え尽き症候群が増える理由 「○○しなきゃ」が口癖の社員は要注意!

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こうした状況に陥りがちなのは、完璧主義の人や、さまざまなことに気がつく人。ただ、本人は自分が燃え尽きてしまっていることに気づかないことも多いのです。

「~しなきゃ」「~はダメ」「~であるべき」の呪縛

こうした人たちの特徴として、以下の3つの呪縛にとらわれていることがよくあります。

・「○○しなきゃ」

1つ目は、「○○しなければならない」という考え方に縛られていることです。「しっかりしなきゃ」「期日までに必ず完成させなきゃ」……こうした気持ちは、何かをするときの原動力となります。その一方で、この気持ちが強すぎると、とことん走り続けてしまい、気づいたときにはエネルギー切れになって、動けなくなってしまうこともあります。

・「○○はダメ」

2つ目は、理想を追い求め、そこから外れるのはダメ、という呪縛。禁止事項が多ければ、それだけ自分で自分を縛ることも多くなります。また、相手へのダメ出しもしたくなります。しかし、ものごとの判断基準が「良い・悪い」で終始し、柔軟性が失われてしまうと、結果として自分自身を追い詰めることになるのです。また、人当たりの良さを重視するために、相手へのダメ出しができなくて、自分の中でギャップを抱えてしまう人もいます。

・「○○であるべき」

そして3つ目は、「自分の立場ではこうするべき」「こういうケースではこう対処すべき」と自身を追い込む呪縛です。しかし、必要以上に義務を課してしまうと、それが達成できなかったときに罪悪感にさいなまれます。「どうせやるなら持てる能力をすべて出すべき」「外見も言動もいつもスマートであるべき」と考えている結果、100%力を出し切っていない状態にあること自体に自己嫌悪を覚えるようになります。

こうした呪縛でがんじがらめになっていることを、周囲が指摘できればいいのですが、優秀であるがゆえに周囲もなかなか言いにくい。その結果、知らず知らずのうちに自分でもブレーキが利かなくなってしまうのです。

何でも完璧なキラキラ女子(男子も)を目指すこと自体は向上心があって良いことだと思いますが、自分が抱え込むことのできる許容量は人によってさまざま。そもそも、本当のキラキラ女子がいるとしても、ものすごく能力が高くてタフな、ほんの一握りの人だけでしょう。

友人のSNSなどに投稿された生活の1コマを見て、「仕事も遊びも全力ですごい!」と思うことがあるかもしれませんが、その友人が毎日そういう生活を送っているとも限りません。多くは「キラキラ」した瞬間を切り取って、うまく見せているものにすぎず、現実的にまねをしようと思っても、できるものではないのです。虚像を追い求めすぎるとパンクします。

もし本当に何もかも全力の生活を送っていたとしたら、周りの人がついていけずに疲弊してしまう可能性もあります。

充実した毎日を送れているかどうかは、その人自身の心が決めることです。楽しい、やりがいがある、認められた、と感じる瞬間があるかどうかかが重要で、つねにそうである必要はありません。

形から入ることは、確かに意識を高める効果はありますが、打ち上げ花火のように華やかにパッと注目を浴びても、そのあと暗転してしまっては本末転倒です。何事も行き過ぎないことが大切です。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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