ユーシンは「ワンマン社長辞任」で変われるか

経営体制刷新とヴァレオ事業立て直しがカギ

今回、専務から昇格した岡部哉慧新社長はプロパーで、非創業家出身のトップとなる(写真:記者撮影)

社長公募2回の失敗を経て、実質的な経営は今回社長となった岡部専務と銀行出身の瀬古義久常務(55歳)、田邊氏の二女・田邊世都子氏(50歳)の3人による集団指導体制に引き継がれた。

瀬古常務は今回、副社長に昇格し、岡部社長を補佐する。瀬古副社長は「実質的には今までも岡部新社長を中心に日常の業務は回っていたが、(実際に)トップとなるとメッセージは意味が違う。今後、管理体制を含めて変わってくると思う」と話した。今後、焦点となるのは業績回復に向けた抜本的な経営体制の刷新だ。

田邊世都子氏の処遇に注目

その中で注目されるのが、田邊世都子氏の処遇だ。父の田邊氏は相談役など一切の役職に就かず経営から身を引いたが、創業家出身者が取締役会に残るとなれば、院政を敷いたとの批判も出かねない。岡部新社長は「新しい経営体制を組んでまた報告する」と話しており、2月24日に予定されている定時株主総会が念頭にあるものとみられる。

ユーシンは旧ヴァレオ事業の買収で売上高や開発拠点、取引先が急拡大した一方で、会社の方針や政策が末端まで行き届かなくなったと業績悪化の要因を分析。岡部新社長の下では、品質管理コストが上がり、生産性も日本に比べ低い欧州の旧ヴァレオ事業拠点の建て直しに優先的に取り組む。

既にスロバキア工場には工場長を派遣するなど本社人材を集中的に投入しており、2017年12月期(決算期を11月期から変更)の純損益は39億円の黒字転換を見込む。

ユーシンは決算に合わせ、2021年12月期までの5カ年の中期経営計画を発表。5年後には営業利益を約2.4倍に増加させ、前期に2.1%の営業利益率を5.1%まで改善させる計画だ。

ユーシンが中計のスローガンに掲げた「飛躍へのターンアラウンド」を地で行くことができるか。早速、新経営陣の手腕が問われることになる。

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