――なるほど、輸送駅弁だと賞味期限の問題もあるのですね。それが実演販売だと作りたてがすぐ出せる。
「はい。正確に言うと、この場合は実演販売ではなく店内調理と言います。実演販売は会場で目の前で作っているもの、店内調理は目の前ではありませんが、京王百貨店店内で調理されている、ということになります」
――個人的には三重県・松阪駅のあら竹さんの『元祖特撰牛肉弁当』や『モー太郎弁当』が好きなんですが、今回の牛肉駅弁対決には入ってなかったですね。
「あら竹さんにも3年前からオファーしているのですが、やはり実演販売はなかなか実現しないですね。いずれ条件やタイミングなど合えば、ぜひ出てほしいです。輸送弁当では4年目になりますが、北海道の室蘭本線・母恋(ぼこい)駅で販売している『母恋めし』(の調製元)さんもずっとお願いしていますが、まだ実現していません。鹿児島県の肥薩線・嘉例川(かれいがわ)駅で販売している『かれい川』(の調製元)さんもぜひ出ていただきたいです」
進化を続ける駅弁の「甲子園」
「それから今回は、大会チラシのメインイラストにもなっている、人吉駅弁やまぐち(熊本県・人吉駅)さんの、実際に人吉駅で立ち売りをされている菖蒲豊實(しょうぶ・とよみ)さんに来ていただき、1月21、22日の14時から立ち売りで駅弁を販売していただけることになりました」
――それはすごいですね!私も6年前に「いさぶろう・しんぺい号」に乗車した時に、立ち売りをしている菖蒲さんから駅弁を買いました。停車時間内に買わなくちゃ、と焦って栗めしと鮎ずしの両方を買ってしまいました。
「ここ(大会)では停車時間気にせずに済みますから(笑)。それから、個人的にこれからやりたいと思っているのが『幕の内弁当』です。お客様からも希望はあるのですが、以前試しに作ってみたところ、すごく普通になってしまう。個性を出すのが難しいんです。でもこれから実現に向けていろいろと探っていきたいと思います」
来年、つまり2018年の駅弁大会の準備は、今年の駅弁大会が終わってすぐに始まるそう。この大会は駅弁の「甲子園」と言われているらしいが、まさにその通りだと思った。
それぞれの調製元さんもまたこの1年間、来年の大会本番に向けて、じっくり準備と調整をしていくのだ。進化し続けていく駅弁大会、これからも毎年の楽しみに通いたいと思う。
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