「実は最初のメインテーマは『金』のつもりだったんです。まだ2016年の漢字が発表される前だったので、われながら持ってるな、と(笑)。それが今回の第2テーマ『海の幸 黄金の弁当対決』になりました」
「それとは別に、地元の陶器を使って地元の食材で出す駅弁対決というのをやりたかった。しかし一から陶器の入れ物を作るとなると、かなり値段が上がってしまう。それを調製元さんに説明し、工夫できるかお願いしたら『ひっぱりだこ飯』の調製元さんが『出来ました!』と持ってきたのが金色のたこ壺で(笑)。ひっぱりだこ飯は『海鮮 陶器駅弁対決』に参加していただこうと思っていたんですが、急遽『黄金弁当対決』の方にしました」
――なんと!あの陶器製の入れ物を金色に塗ったんですか!それは欲しくなります。それに金色は今年のラッキーカラーだそうですよ。
「それは知りませんでした。これも売れればそのまま調製元さんの定番商品になるかもしれない。(山形県・米沢駅の)『三味牛肉どまん中』がまさにそうでした。うちで売れて、それがそのまま世の中に広がってくれれば本望です」
材料調達や人手・・・実演販売の難しさ
――会場にはアンケートボックスがありますが、お客様からの意見はどのくらい反映されているんですか?
「アンケートは全部目を通しています。聞いたことがない駅弁はどんなものか調べてみたり。今年初出店の水郡線・常陸大子駅(茨城県)の『玉屋の奥久慈しゃも弁当』は前からお客様アンケートでも希望が多く、一週間のみということで実演販売が実現しました」
――調製元さんにお願いしても、なかなか実現しないこともあるんですか?
「それは多いです。やはり実演となると、その場で作らなければならないので、材料の調達、人手、衛生面など全てクリアできないとなかなか出ていただけません。たとえばおぎのやさんの『峠の釜めし』(群馬県・横川駅)は輸送駅弁では販売していたのですが、第50回目にようやく実演販売で出ていただけました」
――なぜ、なかなか実現しなかったんでしょう?
「新宿は群馬から近いので、輸送でも十分だということだったんです。しかし輸送ですと、賞味期限が15時まで。販売はその2時間前までしかできない、つまり13時で販売終了してしまうんですね。衛生面という点でも自社工場で作りたいとのことでしたが、夏だけ営業する京王百貨店屋上のビアガーデン用の厨房を、おぎのやさん専用にすることで納得していただきました。その場で調理できれば閉店まで販売できるので、お客様もいつでも買うことができる。その年のおぎのやさんの売り上げは2万個以上、第2位の売り上げでした」
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