「トランプを当選させた女性」のヤバい存在感 トランプの懐刀、コンウェイ氏の実力は?

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政治に関心を持ったのは1984年の高校生の頃。民主党下院議員でイタリア系のジェラルディン・フェラーロ氏が初めての女性副大統領候補になったときだ。だが、この選挙で再選された共和党のロナルド・レーガン大統領の演説を聞いて共和党派に。「レーガンの言葉は胸に響いた。私は気持ちが高まるような、野心的でタフガイ的なものが好き」と彼女は語っている。

高校生時代には、地元の農場によってブルーベリー・プリンセスに選ばれ、またその後もブルーベリーのパッキング・コンテストで優勝を果たしている。大学は首都ワシントンDCのトリニティー・カレッジで政治学を専攻後、英オックスフォード大学へ進み、米ジョージ・ワシントン大学院で法律を専攻。在学中からレーガン大統領の世論調査事務所で働き、卒業後も弁護士や裁判の世界ではなく、世論調査を仕事に選んだ。

「ゴルフもしないし、愛人もいない」

自身の世論調査会社を設立したのは1995年、28歳のときだ。ここから、共和党議員や有名ブランドのための仕事を行うようになる。その後の活躍と上昇ぶりは先に挙げたとおりだ。

トランプ氏はコンウェイ氏について、「私の使命をたゆみなく粘り強く擁護し、われわれのメッセージをどう効果的に伝えるかについてすばらしい洞察を持っている」と評価する。実際、コンウェイ氏がテレビ番組などで話す様子を見ると、理路整然と相手に説明するというよりは、強引に言い負かすところが実にトランプ流だ。

ホワイトハウスでの大統領顧問という役割は、大局から大統領にアドバイスし、広く社会にコミュニケーションを図るものと言われる。ただ、トランプ氏は選挙活動中もチーム内部で競わせるような環境を作っており、ホワイトハウスでも主席補佐官のラインス・プリーバス、上記のバノン氏、そしてコンウェイ氏と、異なったアドバイザーがトランプ氏の耳へささやく構図となる。

コンウェイ氏は4人の子持ちで、1月20日のトランプ大統領就任式当日は50歳の誕生日を迎える。彼女は言う。「フルタイムで母親もやっているが、ゴルフもしないし愛人もいない。だから男性よりも時間がある」。女性としてホワイトハウスで最高の地位につくコンウェイ氏が、どう頭角を見せるかに注目が集まる。

瀧口 範子 ジャーナリスト

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たきぐち のりこ / Noriko Takiguchi

フリーランスの編集者・ジャーナリスト。シリコンバレー在住。テクノロジー、ビジネス、政治、文化、社会一般に関する記事を新聞、雑誌に幅広く寄稿する。著書に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか? 世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』『行動主義:レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家:伊東豊雄・観察記』、訳書に『ソフトウェアの達人たち:認知科学からのアプローチ』(テリー・ウィノグラード編著)、『独裁体制から民主主義へ:権力に対抗するための教科書』(ジーン・シャープ著)などがある。

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