2017年は再度大幅な円高になる危険性がある

トランプ相場はいったん終了の可能性も

日本のインフレ率が急上昇するのは早くて2017年後半以降であり、それまでは実質金利の低下がドル円の下押し圧力につながると考えるのが理論的である。最終的には正しい方向に行くのが相場であり、このままいくと、2017年には再び100円ちょうどを試す場面があっても不思議ではなく、むしろそうなる可能性が高いと考えるのが妥当ではないだろうか。これは感覚や期待・希望ではなく、あくまで理論的に計算した結果の見通しである。

想定外の調整局面があれば「格好の買い場」に

そうなると、日経平均の妥当水準も1万6000円台前半というところに落ち着くことになる。100円を割り込めば、1万5500円から1万5000円割れの可能性も出てくる。ただし「100円割れ」は安倍政権も避けたい水準であろう。菅官房長官が先日の日本経済新聞のインタビューで、「為替の危機管理をやっている」と発言しているのをお読みになった方も少なくないはずだ。

「危機管理」が具体的に何を指すかは明確にされていないが、いろいろな取引があるのが為替である。しかし、それも「米国の承認」があっての話だと考えるのが普通だ。トランプ次期政権は依然としてドルに関する明確な方針を示していない。

しかし、国家経済会議(NEC)の委員長に就任する、ゴールドマン・サックス社長のゲーリー・コーン氏は「ドル高は米国にはよくない」と繰り返し指摘している。経済運営のかじ取りをするコーン氏の発言が、トランプ氏の考えを代弁しているのであれば、すでに答えは出ていると考えることもできる。ドル円は当然のように10円単位での調整を余儀なくされるだろう。

これまでのようなトランプ政権の期待が剥落するのが2017年であるとすれば、それは市場の想定外であり、大きな揺り戻しが起きることになる。しかし、筆者は2017年を2018年以降の強気相場の調整局面になると考えており、むしろこうした押し目は「よい買い場」になると考えている。

では、もしこうした筆者の予想とは裏腹に、相場がこのまま上昇し続けた場合はどうなるか。相場に乗り遅れることになるため、それを回避するためには前週の本欄で解説したように、資産の一部を少しずつ株式に投資しておくことだ。そうすれば乗り遅れをある程度避けられる。そして急落した場合には準備していた現金を利用して押し目を拾う。こうすれば、上昇した場合には保有株の含み益は徐々に増加することになるし、機会を逃すこともない。昨今の高いボラティリティ(変動率)を考慮すれば、投資額を絞りながら対応することは極めて重要なポイントになるだろう。

なお読者の皆さんの多くは株式投資や為替取引を中心に行っているだろうが、筆者が投資対象として最も注目しているのは、原油や金などのコモディティ市場である。需給バランスの改善をベースにした、金融市場の動きとは関係のない価格上昇が起きるだろう。2020年までの投資戦略のコアになるのがコモディティ市場だと筆者は考える。この点を2016年の最後の指摘とさせていただく。

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