中国人民銀、穏健な金融政策維持 流動性は基本的に安定へ

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 12月30日、中国人民銀行(写真)は、穏健な金融政策を維持するとし、「引き締まり過ぎず、緩め過ぎない」よう中立を維持する方針を示した。北京で2014年4月撮影(2016年 ロイター/Petar Kujundzic)

[北京 30日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は、流動性を安定的に保つため、金融政策を維持し「引き締め過ぎず、緩め過ぎもしない」よう中立的に維持する方針を示した。

人民銀は第4・四半期の金融政策委員会の会合内容を要約した声明で、さまざまな政策手段を柔軟に活用し、流動性の基本的な安定を維持すると指摘。中国の通貨人民元は基本的に安定を維持するとの見方を示す一方で、人民元改革を今後も進める意向も示した。

今月開かれた経済関連の主要会議で、中国政府の首脳部は金融リスクを封じ込めるために、2017年は「用心深く中立的な」金融政策を実施しつつ、一方で安定的な経済成長への道筋も維持するとしていた。

人民銀は用心深い政策を長期に展開していくことを再強調した上で、金融政策を「引き締め過ぎることも緩め過ぎることもない」よう「中立的」に保つよう、より注意を払っていくとした。

人民銀は「現在は中国の経済や金融の運営は総じて安定しているものの、状況の複雑さを過小評価すべきではない」とした。

巨額の信用創造による経済下支えと、不安定な債務の増大回避の間でバランスをとることに政府首脳部が苦戦していることから、政策担当者らは、2017年の金融政策が引き締め方向にやや傾くと想定している。

人民銀のアドバイザー、盛松成氏は29日のロイター通信のインタビューに対し、中国の金利は経済の回復に伴って既に上昇傾向にあると述べている。

人民元はドルに対して2016年の通年で約7%下落し、年間の下落率としては1994年以来の大きさを記録すると見込まれている。人民銀は通貨の安定を基本的に維持しながら、人民元体制の改革を推進するとしている。

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