日経平均は2日ぶり大幅反発 米国株続伸を好感、先物買いも主導

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9日の東京株式市場は反発。米国株の続伸や前日の下げ要因となったアジア株が堅調に推移していたことを好感、後場に入ると先物の買いに引っ張られて上昇幅を拡大し、日経平均株価は前日終値に比べて363円56銭高の1万4472円90銭、TOPIXも同24.31ポイント高の1196.89と2日ぶりに反発して本日の取引を終えた。東証1部概算の売買高は28億3476万株、売買代金は2兆3606億円。

前場は、為替こそ前日とほぼ変わらなかったが、米国市場が雇用統計で米国経済の拡大基調が確認されたことやポルトガルとの連立政権が維持されるとの見方で欧州株が大幅高となったことを好感して3日続伸。寄り付き前の外国証券経由の売買動向も10日連続の買い越しとなったことを受け、買い優勢でスタート。足元の水準がテクニカル面で過熱感が出ていることもあって先物の小口の売り物に押されて伸び悩む場面もあったが、昨日の下落要因となった中国・上海株が小動きで推移したことやアジア株の反発で為替がやや円安に振れたことで再び買いが優勢にとなり、162円高の1万4272円と反発して取引を終了した。

昼のバスケット取引(136億円成立)は売り買い均衡と中立要因だったが、後場は前場終値を44円上回る207円高の1万4316円でスタートした。その後、小口の先物売りにやや押されたが、13時台に入ると、今度は一転して先物買いが主導の展開となった。

13時3分に先物に小口の買い物が入ったのをきっかけとして、13時8分からはまとまった買い物が断続的に入ると、ファーストリテイリングやファナック、京セラ、KDDI、トヨタ自動車など日経平均への寄与度が大きい値ガサが上昇、14時36分には363円高の1万4472円まで上げ幅を拡大。その後はやや伸び悩んだものの、363円高の1万4472円と大幅反発して取引を終了した。後場に入って為替がやや円安にふれたこと、アジア株が総じてしっかりとした動きを示していたことは確かだが、特段、新規の買い材料があったわけではない。マーケットでは週末のミニSQ(特別清算指数)算出に絡んで先物に思惑的な買いが入ったのではとの見方も出ていた。

東証1部の値上がり銘柄数は1446(全体の84%)、値下がりは196(同11%)、71銘柄が変わらずだった。規模別では、大型が25.30ポイント高、中型が24.62ポイント高、小型が30.53ポイント高。業種別では、東証33業種中、オリンパスが大幅安となった精密を除く32業種が値上がり。中でも、証券や電力ガス、小売、鉄鋼、機械、不動産などの上昇が目立った。

野口 晃 東洋経済 記者

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のぐち あきら / Akira Noguchi

中古品小売りなどの業界を担当。

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