2017年度大学入試、文系人気が復活する理由 就活の「売り手市場」で理系人気が低迷
実際の出願時には、センター試験の結果に応じてより現実的な志望校を選ぶことになり、新学部に対しても受験生の認知が進むのが通例。ただ、学部名で学べる内容をすぐに想起しにくい学部は、受験生の足が遠のくリスクもありそうだ。
もう一つの注目ポイントは、国が2020年度をメドに進めている「高大接続改革」。高校・大学教育と大学入試を一体的に改革するものだ。大学入試に関してはセンター試験に代わって学力評価テストを導入し、思考力・判断力・表現力を測ること、大学の個別入試(二次試験)では主体性・多様性・協働性を測ることを目指している。
入試改革を見据え、出題内容も変化
2020年度までにはまだ時間があるが、すでに入試問題に変化が生まれている。たとえば2016年度のセンター試験「英語」のリスニング問題では、3人の討論を聞いて回答する形式の問題が初めて出題された。
「音声を聞き取るだけでなく聞き取った情報を比較したり、推測したりする思考力・判断力が求められ、まさに高大接続改革を意識した問題」(岩瀬氏)だった。二次試験でも現代文で文章中に図表が示され、その読み取りを要求するケースがあった。
また国公立大では、人間性をより重視する医療・看護系や教育系などを中心に、面接やグループディスカッションの導入も広がる。面接では高校時代に取り組んだこと、これから学びたいこと、といった基本的な事項を聞かれることが多いようだ。「2020年の入試制度の変更を待たずに、入試問題の傾向の変化が見られそうだ」と岩瀬氏は話す。
2017年度のセンター試験は1月14日・15日。1月下旬からは二次試験の出願が始まる。近年はインターネット出願を導入する大学が増え、国公立大の12%、私立大学の50%が導入(河合塾調べ)。
2017年度は国公立大では京都大や九州大、私立大では早稲田大、慶應義塾大、立教大などでネット出願を導入する。導入初年度からネット出願に一本化される大学もあるため、注意が必要だ。
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