青学・原監督「管理職の仕事は管理じゃない」 常勝軍団を率いる名将が明かす人の育て方

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監督としてチーム状況の些細な変化を感じるために必要なのは、本気で観察することです。日頃から注意深くチームを見ていると、後々大きな問題になりそうなちょっとした変化に気づけるものです。

変化は真剣にチームを観察していれば必ず気づく

『フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉』(アスコム)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

チーム内に何かが起きて雰囲気が変わると、部員にいつもと違うところが現れます。話している内容だったり、表情や仕草だったり、食堂で座る場所が変わっている場合もあります。その違いは真剣にチームを観察していれば、必ず気づきます。

だから私の定位置は、チームから離れた場所になるのです。

青学陸上競技部の練習を見に来た人が私の姿を見て、「怠けているなあ」と言ったこともありました。

でも、私の考えではチームから離れて見ていないと監督の仕事はできません。エンジン全開でこちらの部員、あちらの部員と精力的に指示を出している監督もいますが、それはチームがまだ成熟していない証拠です。あるいは、こと細かに指示を出さないと気が済まない監督だと思います。

チームが強くなるほど、監督の「見る」仕事は増える。それが成長したチームの理想形です。その状態を維持できるチームこそが常勝軍団だと私は考えています。

原 晋 青山学院大学 陸上競技部長距離ブロック監督、地球社会共生学部教授

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はら すすむ / Susumu Hara

1967年、広島県三原市出身。世羅高校、中京大学を経て陸上競技部第1期生として中国電力入社。故障に悩み、5年で競技生活を引退し、1995年に同社でサラリーマンとして再スタート。その後、ビジネスマンとしての能力を開花。陸上と無縁の生活を送っていた2003年、長年低迷していた青山学院大学陸上競技部の監督への就任話が舞い込む。2009年に33年ぶりの箱根駅伝出場を果たす。2015年には青学史上初となる箱根駅伝総合優勝に輝く。ビジネスの経験を生かした「チームづくり」「選手の育成」で陸上界の常識を破り、快進撃を続ける。

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