ハワイ空の旅で火花、JALが王座から陥落へ 新興のハワイアン航空が相次ぎ路線を拡大
羽田路線を拡大したハワイアンには、しばらく有利な状況が続きそうだ。というのもJALは来年4月以降、羽田ーホノルル線から撤退する可能性が高いためだ。
2010年の経営破綻からの再建過程で公的資金の注入を受けたJALは、ANAとの競争環境是正のため、新規路線・投資が制限されてきた。同社が羽田に持つ米国行き発着枠は2つで、現在はホノルルとサンフランシスコへ飛ばしている。
JALは羽田撤退か、ANAは巨大飛行機投入
制限がなくなる2017年4月以降、JALは羽田からニューヨークなど東海岸への路線開設を検討中だ。だが羽田の枠は2つしかないので、現在の路線のどちらかをやめざるを得ない。これに関して同社の幹部は「収益性の高いビジネス需要を重視すれば、ホノルル線撤退が基本的な方向性」と明かす。
もっとも数年先を見れば、ハワイアンの行く手にも大きな脅威が待ち受ける。2019年にANAが世界最大の旅客機、エアバスの「A380」の導入を予定しているからだ。1機当たり500席以上という巨大な機体が乗り込んでくれば、たちまち価格競争に陥ることは目に見えている。
ハワイ路線に特化したハワイアンとは異なり、ANAのような路線網の大きい航空会社の場合、普段出張などでマイルを貯めるビジネスユーザーが、休暇時に特典航空券に交換してハワイなどリゾートに行くことができる。ハワイの定期便としては珍しく、ファーストクラスを設けるのも、そうした高いグレードへの需要を見込んでいることが大きい。
ハワイアンもこうした事情を理解しているが、「レジャー路線、そしてハワイに特化しているからこそ差別化ができる」と前出のパナジオトゥリアス副社長は自信を示す。「サービスや機内のインテリア、機内食など、飛行機に乗った瞬間からハワイでのバケーションだということを感じてもらえる」と語る。
ハワイ路線に群がる航空会社の戦いは、これからが本番だ。
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