ハワイ空の旅で火花、JALが王座から陥落へ 新興のハワイアン航空が相次ぎ路線を拡大
長年JALが守ってきたハワイの牙城がついに崩れた格好だ。背景には、この1年ほどでJAL自身が座席数を大きく減らしていることがある。
2016年1月以降、羽田、成田、関西国際空港、中部国際空港のハワイ路線でプレミアムエコノミークラスを相次いで導入し、エコノミークラスが減少。さらにこの12月からは新仕様の機体が順次導入され、若干だがさらに座席が減る方向だ。
ここにハワイアンの成田、羽田の新路線が重なり、シェアトップの座が入れ替わったのだ。座席の供給量は大幅に増えたが、「年末年始の予約率は昨年並みを維持している」(ハワイアンの宍戸隆哉・日本支社長)という。
ハワイ島直行便が6年ぶりに復活
今回ハワイアンが就航したコナは、ハワイ州の中でも最大のハワイ島に位置する。コナコーヒーや、活火山のキラウエアなどで知られる。JALが2010年に撤退して以来、6年ぶりの日本路線復活だ。ハワイに旅行する日本人の6割はリピーターであり、ホノルルのあるオアフ島以外にも行きたいという需要は一定数ある。
就航初日のコナ線は、搭乗率が90%を超える盛況ぶり。ファミリーやカップル、友人のグループなど、客層は幅広い。グローバルセールス担当のテオ・パナジオトゥリアス上席副社長は「ハワイ島は自然が豊富で景色もきれい。まずは旅行会社とも協力しつつ、路線の知名度を上げていきたい」と意気込む。
単純なコナとの往復のほか、羽田からコナに飛び、そこから国内線でホノルルへ向かい、ホノルルから羽田へ帰るといったルートも可能だ。「選択肢を増やすことが重要」とパナジオトゥリアス氏は強調する。
ハワイアンの国際線において、今や日本は最大市場。2010年に羽田就航で日本に進出してからわずか6年ほどだが、羽田や成田のほか、関西国際空港と新千歳空港にも乗り入れるまでになった。
規模の拡大に伴い、2016年3月には従来日本で2人だけだったハワイアンの社員を16人に増やすなどの体制強化を発表。販売面で攻勢をかけている。
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