森トラ社長が語る、「東京が世界で勝つ」方法 「日本人はハード重視で、発信できていない」
東京は世界でも非常に希有な都市
――東京ではデベロッパー各社が開発を加速しています。
この4年間、東京は五輪用施設以外の建物も含めて都市が進化していきます。後は中身の問題。ホテルも商業も、中身をどう進化させて世界のニーズをつかむか。日本人はハードを重視しがちで、立派な建物を造って終わってしまうところがあるので、建物ができることが終着点にならないようにしなければいけない。
「こんな街の楽しみ方がある」と付加価値を提案して、滞在者のニーズをつかんであげることが必要です。日本独特の文化や歴史的価値があるものをどう見せていくか。東京はただ古い街ではなくて、新しい建物や楽しいレストランも存在する、非常に稀有で面白い街だと思います。
観光客も24時間の中で色々な体験をしたいので、ずっと畳で正座していたいわけじゃない(笑)。和食も毎日は行きたくない。バランスを考えてあげないと滞在者は辛くなるんです。そうした課題をクリアすれば、ニューヨークやロンドンと戦えるだけのインフラを東京は持っています。
――虎ノ門の再開発計画で重視されたことは?
開発では、土地のポテンシャルをどう生かすかを考えます。港区はオフィスだけではなく生活者もいて、仕事をするエリア、遊ぶエリアなどが混在している。ニューヨークもそういう構成です。マンハッタンも働く場所だけでなく、高級住宅やホテル、商業もナイトライフもある。
虎ノ門は大きな街区がさほど開発されないまま残っていたので、緑豊かでリラックスできる環境が整っている。だからレストランは全部、テラスがある造りを徹底的に意識しています。
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