森トラ社長が語る、「東京が世界で勝つ」方法 「日本人はハード重視で、発信できていない」

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――今後、伊達社長が特に力を入れたい事業は

祖父(故・森泰吉郎氏)の事業を引き継ぎ、これからの成熟した社会にはリゾートホテルが必要で、それを会員制にするとビジネスとして面白い、と新しいものを取り入れたのが父でした。つねに不動産を通して社会貢献していく考えがあり、それは自分も考えながら事業をやっています。

伊達美和子(だて みわこ)/1971年生まれ。1996年慶應義塾大学大学院修了。長銀総合研究所を経て1998年森トラスト入社。2016年6月から現職

そこで、成長産業であるホテル事業には、より積極的に投資の機会を増やして、伸びしろを作っていきます。日本は「失われた20年」でホテルがどんどん衰退し、誰も開発してこなかった。私はそれでもホテルが重要で、投資する価値があると考えてきました。

ホテル事業で開発・投資を続け、ホテル特化型REIT(不動産投資信託)の上場に向けて準備する段階にまでつなげてきた。最近は各社がホテル開発を始めていますが、そういう環境を作ることができたことが自分の成果だと思います。

そうすると当然、競合が増える。でも、産業としては色々な企業が参入したほうがいいですし、競争の結果、それぞれの知恵が生まれて新しい商品が供給されれば、市場はもっと成長します。ホテルは業界として、そういったことをある意味「サボって」いたわけです。

つねにいい意味で新陳代謝はあるべきで、業界も生き残るために努力しなければならない。それによってよい商品が生まれて「人・モノ・カネ」が集まる都市ができると思います。

(撮影:梅谷秀司)

真城 愛弓 東洋経済 記者

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まき あゆみ / Ayumi Maki

東京都出身。通信社を経て2016年東洋経済新報社入社。建設、不動産、アパレル・専門店などの業界取材を経験。2021年4月よりニュース記事などの編集を担当。

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