「越境EC」は爆買い終焉後の救世主になるのか 有望ベンチャーに巨額マネーが集中

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さまざまなサービスが勃興する越境ECだが、中国に商品を供給するメーカーの悩みは尽きない。

自社サイトやTモールに出店し販売する化粧品メーカーの担当者は、「ブランドを毀損されるのがいちばん怖い。最適なパートナーをどう選べばいいのか、手探り状態が続いている」と明かす。売り上げは伸びても「爆買い商材」などといわれ、一部の商品が中国で転売・値引き販売される現状には危機感を抱くという。

一筋縄ではいかない市場だが・・・

過去には、日本企業の越境EC先発組が軒並み苦戦を強いられた経緯もある。楽天は中国検索最大手「百度(バイドゥ)」との合弁で展開したECモール「楽酷天」を2012年に閉鎖した。開始当時は「最強タッグ」と持てはやされたが、競合モールが広告を大量投入するなどで、知名度を上げられなかった。

スタートトゥデイが展開するファッションEC「ZOZOTOWN」も、2013年に中国版の自社販売サイトを閉鎖、タオバオ内の出店も取りやめている。

EC市場が拡大し続ける中でも、商習慣の違いは依然として日本企業の行く手に立ちふさがる。日中両国の橋渡し役となる日本企業の勝者は生まれるか。覇権争いはこれから本番を迎える。

長瀧 菜摘 東洋経済 記者

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ながたき なつみ / Natsumi Nagataki

​1989年生まれ。兵庫県神戸市出身。中央大学総合政策学部卒。2011年の入社以来、記者として化粧品・トイレタリー、自動車・建設機械などの業界を担当。2014年から東洋経済オンライン編集部、2016年に記者部門に戻り、以降IT・ネット業界を4年半担当。アマゾン、楽天、LINE、メルカリなど国内外大手のほか、スタートアップを幅広く取材。2021年から編集部門にて週刊東洋経済の特集企画などを担当。「すごいベンチャー100」の特集には記者・編集者として6年ほど参画。2023年10月から再び東洋経済オンライン編集部。

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