日清食品が「炎上」しても攻め続けられる理由 無難な表現に終始したら思いは伝わらない
逆に言うと、炎上を経験しているからこそ、踏み越えてはいけない表現のラインを確認することができ、ノウハウが組織に溜まることで、より攻めの姿勢を維持することができるサイクルがまわっているのかもしれません。
一般的な大企業は、ネットで炎上に遭遇すると炎上自体に恐怖感を感じてしまい、ネットやデジタルの施策から距離を取ってしまいがちです。また、ネットで炎上を経験したこともないのに、他社の炎上事例を見ながら恐怖を感じて、ネットから距離を取っている企業も少なくありません。
ただ、顧客のネガティブな感情が拡がる「炎上」という現象と、顧客のポジティブな感動や喜びのクチコミが拡がる現象は、実は裏表の関係。
ネットやソーシャルメディアの普及で、顧客がメディア化したことにより、ネガティブな感情もポジティブな感情も短期間で大勢に拡がる可能性が見えてきているわけです。
無難な企画は話題になるわけがない
そういう意味では、話題になるようなクチコミ施策は、多少の批判や炎上のリスクを抱えていると言うことも言えますし、批判がおきる要素が全くないような無難な企画は話題になるわけがないとも言えるわけです。
特に日清食品の成功事例を見ていて興味深いのは、一見ネタに走っているように見える施策においても、ちゃんと商品の魅力や世界感につなげることを明らかに意識されている点です。
日清食品においては、広告やコミュニケーションを通じて商品を知ってもらい、、企業側の思いを知ってもらい、多くの人に日清食品の商品を食べてもらいたいという明確な目的があるからこそ、批判や失敗を経験しても、それを糧にさらなる新しいコミュニケーションに挑戦し続けているということなのかもしれません。
そう考えると、今後もしばらくクチコミの王座の座には日清食品が君臨し続けるような気もしてきますが、この王座を脅かすような攻めの姿勢のマーケティングの出現にも期待したいところです。
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