「EU崩壊」などは近視眼的な妄想に過ぎない ヨーロッパは昔からいつもたいへんだった
Brexit、ギリシャ問題、イタリアの銀行危機など休む間もない危機の連続を見ていると、「EU崩壊」などと妄想したくもなろう。だが、欧州はいつも大変だった。第2次大戦後、旧ソビエト連邦が欧州の「不都合な」部分を囲い込んでくれて、パンドラの箱が閉まった。だが、西ヨーロッパだけで動けた幸福な時代はもう過ぎ去った。今、本来のヨーロッパに戻ったのである。
まだEUと加盟国はその状況に慣れていない。徐々に危機を抑制できる制度作りと資金の手当てをしていかないといけない。20世紀の理想的な欧州統合の印象が強すぎて、そこを基準に考えるから「EU崩壊」という意見になるが、もっと余裕を持って見る必要があろう。
それにしても、フランスの大統領選挙は気がかりだ。フランスまでが極右ポピュリスト政権になれば、EUの危機はBrexitどころではない。フランス国民の政治的英知を期待しよう。5月にフィヨン氏が首尾よく大統領になり、秋に第4次メルケル政権が選出されれば、具体的な対策へと進むであろう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら