マイクロソフトを脅かす「セールスフォース」の素顔

マイクロソフトを脅かす「セールスフォース」の素顔

日本で企業向けソフトといえば独SAPが有名だが、その地位を脅かそうという企業がサンフランシスコに存在する。その名はセールスフォース・ドットコム(写真は本社が入居するビル)。4万社を超える企業に、インターネット経由でソフトウエアの機能を提供するSaaS(Software as a Service)ビジネスの風雲児だ。

創業5年目の2004年に上場し、時価総額は55億ドル。社員数約3000人。オンラインによる企業向け顧客管理(CRM)アプリケーション事業で現在トップを走る。デル、シティバンク、スターバックス コーヒー、シスコ・システムズ、メリルリンチ、ジョンソン・エンド・ジョンソンなどの大手企業からベンチャー、非営利法人、中小ピザ店まで顧客層は幅広い。直近の08年2~4月期では売上高2・5億ドル弱と、前年同期比52%増収。設立9年弱で、年間売上高は10億ドルに迫る勢いだ。


モットーは「顧客主義」 要望は3カ月ごとに反映

たった1人からでもすぐに使え、1人当たり使用料は月額1000円から。仕様変更も簡単で、企業は利用した社員数分の使用料だけで済むし、IT投資する際のリスクが少ない。昨年民営化した日本郵政グループからCRMシステムの一括大型受注に成功したのも、こうした使い勝手と低コストが大きな要因だった。調査会社のガートナーは、11年までに全ソフトの4分の1がSaaS型で提供されると予測。ドイツ銀行も、13年までにSaaS型による提供が50%に増えるとの見通しを出している。

売りっぱなしのライセンス型ソフトと違い、セールスフォースのSaaSでは、顧客の意見が、3カ月ごとのアップグレード等に反映される。顧客との継続的かつ密な関係が急成長の要因でもある。同社のサービスには、顧客と意見交換を行うオンラインフォーラムの「アイデア・エクスチェンジ」や、人気のソフト、システム、ツールなどを投票するサイトがあるが、セールスフォースの顧客であるデルは、この意見交換サイトを自社にも導入。同サイトを通してデルの顧客がリナックスのサーバーを欲していることを把握し、リナックス採用を決めた。

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