ECB、債券購入を来年4月以降月600億ユーロに

買い入れは2017年末まで、必要に応じて継続

ユーロ圏ではフランス、ドイツ、オランダで選挙が控えているほか、イタリアでも総選挙が実施される可能性が高まっている。これらの国すべてで大衆主義的な動きが高まっていることもあり、ECBは緩和縮小に動くのが困難になっているのが実情だ。

ただドイツがECBの過去に例を見ない緩和策に反対する姿勢を強めるなか、ECBは量的緩和は永続的なものではないことを示す圧力にさらされていた。

ECBは将来的な買い入れ拡大も可能にするため、買い入れ対象とする債券を拡大。償還期限1─2年の債券のほか、利回りが中銀預金金利(マイナス0.40%)を下回る債券も必要に応じて買い入れるとした。

一方、ECBへの出資割合(キャピタル・キー)に応じて買い入れを行うとの規定は緩和しなかった。同規定の緩和には独連銀が反対しており、ドイツを初めとする保守的なユーロ加盟国の主張が受け入れられた格好だ。

HSBCのエコノミスト、サイモン・ウェルズ氏は、ECBは買い入れペースを縮小する一方で、期間を延長することで意外感を与えたと指摘。ECBは条件付きながらもテーパリングを決定したことで、緩和的な政策に対する批判をかわすと同時に、2017年中に更なる期間延長を決定するかどうかの困難な議論に向け時間を稼いだとの考えを示した。

インフレ見通し

ECBこの日に公表した スタッフ予想で今年のインフレ率の見通しを0.2%とし、9月に示した予想を据え置いた。2017年は1.3%とし、前回予想の1.2%からやや上方修正したものの、2018年は1.5%にやや下方修正。今回初めて示した2019年の予想は1.7%とし、2%近辺とするECBの目標は2019年になっても達成できないとの見通しを示した。

ドラギ総裁は記者会見で、スタッフ予想で2019年のインフレ見通しを1.7%としたことは2%をやや下回るとするECBの目標達成を意味するかとの質問に対し、「意味しない」と回答した。

ECBは主要政策金利であるリファイナンス金利を0.00%に据え置くことを決定。上限金利の限界貸出金利と下限金利の中銀預金金利も、それぞれ0.25%、マイナス0.40%に据え置いた。据え置きは予想通りだった。

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