太陽電池、日本企業に逆襲のチャンス トップ企業が相次いで破綻、日本企業に好機到来

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日本企業の消極姿勢は臆病? それとも賢明?

00年代半ば以降、太陽電池の生産量ランキングで日本企業の順位は低下する一方だ。代わって主役となったのは中国企業。上位を独占するほか10位以下(図「その他」)も大半が中国企業で、中国と台湾の生産シェアは合計で70%を超える。

日本企業のシェア低下には二つの理由がある。まず、原料調達での出遅れだ。太陽電池の生産急増を受け、主流の結晶系太陽電池の原料となるシリコンの価格が急騰。Qセルズや中国企業が果敢に長期契約で原料確保に走ったのに対し、日本企業は高値調達に二の足を踏んだ。

二つ目が設備投資。シャープが堺工場を建設したように、日本企業も投資を行ったが、中国企業に比べると消極姿勢だったことは明らかだ。「中国企業のような積極投資をするには日本企業は太陽電池のことを知りすぎていた」(一木社長)。「価格競争が激化するのが目に見えていたので、巻き込まれたら危ない、と量の競争から一歩引いた」(日本メーカー担当者)。

結果的に、日本企業の判断は吉と出た。シリコンも増産が進み価格が急落。高値の調達契約を結んだ企業は経営危機や破綻に追い込まれた。積極投資をした企業の多くは、工場の低稼働率か赤字操業に苦しんでいる。世界一企業の連続破綻は偶然ではない。

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